「社員が笑顔で、会社が成長し続けるための『働き方改革』とは」

 装いも新たに発足した第1回ダイバーシティ&インクルージョン研究会は、新たなメンバーも加わり1518名の方々に参加いただきました。今回は主催者である植田寿乃自身が登壇し、事前アンケートによる集計データの分析と、「社員が笑顔で、会社が成長し続けるための『働き方改革』とは」のミニ講義を実施致しました。参加者席を4人グループでの島型としたことで、席替えをしながら数回設けたグループディスカッションの場面では、これまで以上に参加者同志が本音で語り合える時間を共有することができました。

 事前アンケートによる集計データから見えてきたことは、ここ数年でダイバーシティ推進&女性活躍推進が進みつつある現状(83%)と、ワーキングマザーの女性管理職の増加(60%)、イクメン男性の増加(60%)でした。グループディスカッションで話された各社の現状では、「女性の管理職が増えた」、「外国籍の方が管理職に昇格した」、「出産や育児を特別事と捉えずに前向きに取り組むワーキングマザーがいる」というお話と共に、「同じ会社の中でも部署によって温度差がある」、「そもそも母数となる女性社員が少ないことから、女性社員の採用をより積極的に行う必要あり」、「根強く残る昭和体質の上司の意識変革が必要」という課題も話されました。60歳以上のシニア層の増加(84%)は今後も確実に増えていく傾向であり、植田からは「元気なうちは生涯現役、時代の変化により変わってきた社会、人生、組織の中で、一人ひとりが高いモチベーションを持って働くことこそが個人も会社も活性化した組織となる」というメッセージが発せられ、「昭和タイタニック度チェック」や「ダイバーシティ&インクルージョンな組織風土チェック」などを体感した受講者からは、自社の現状を客観的に把握すると共に自社の進捗状況を確認するためにも有効との意見が寄せられました。

 イクボス(部下のワークライフバランスを理解し育てる管理職)が増えている(50%)という回答や、ダイバーシティな組織風土への変化を感じている(76%)という回答からは、経営層が課題として真剣に取り組んでいる組織では、意識改革が徐々に進んでいる現状がわかりました。グループディスカッションで発表されたお話しでは、ダイバーシティ推進の取り組みとして、異業種交流による勉強会や、自社内でも異なる部門の管理職を招いた勉強会を行っているなど、視野を広げることで意識改革を進める取り組みが進められていました。また、年代によるキャリア価値観の違いを考えた時に、自分達の思いが若年層、シニア層に届いているのかと葛藤されている方や、自分自身が活き活き働けているのか、周囲の協力や理解を得るためにどうしたら良いのかと悩んでいる方もいらっしゃいました。
 植田からは、様々な人生を背負っている人達の集合体である現在の組織において、ただ単に同じ場所で働くとか制度にぶら下がるのではなく、お互いの役割を自覚しながら支えあうことで成長を止めない組織風土の醸成を目指してほしいという思いが語られました。また、政府の「女性活躍推進法の制定」や「働き方改革」がダイバーシティ推進&女性活躍推進の追い風になってきている中で、自分自身がキャリアビジョンを持つことの大切さが語られました。


 ダイバーシティ&インクルージョン研究会で目指していくのは、今までのやり方の延長線上にある「改善」ではなく新たなる「改革」を推進していく組織風土作りです。様々な人生の状況において、限られた時間の中で質の高い仕事の結果を出していく。そのためには仕事を根本的に見直し、全く違った視点から発想を変えてチャレンジしていくことが重要なポイントとなっていきます。組織で求められる役割と、自分自身の持つキャリアビジョンやスキルの重なりが大きければ大きいほど、高いモチベーションを維持して「改革」へのチャレンジができるのだ、という植田のメッセージに、参加者自身も改めて自分自身のキャリアビジョンを振り返り、そしてお互いに語り合う有意義な時間となりました。

 次回の研究会は、第
2回「管理職の意識&リーダーシップ改革が必須なダイバーシティ推進」と題して、2017530日(火)に開催致します。皆様の参加をお待ちしておりますので、引き続きどうぞよろしくお願い致します。

文責 キャリアコンサルタント 山岡正子