2022年2月25日(金)
“今、働きたい会社を目指す、富士通の取組み!『13万人のやる気を彫り出す!パーパス(存在意義)・カービングの進め方と効果』
<事例発表>
富士通株式会社
Employee Success本部  
Engagement & Growth統括部 
FUJITSUユニバーシティ エキスパート
藤園 賢治 氏

第1部
まず初めに本日のファシリテーションを担当した田中から、皆さまの企業・組織の状況について、13社から頂いたアンケート結果の共有を行いました。一部抜粋して、いくつかのコメントと共にご紹介します。

Q1.現在、あなたの企業・組織では在宅ワークやリモートワークをどの程度行っていますか?
①基本的に在宅: 0%
②週3日~4日:25%
③週1日~2日:56%
④行われていない:19%
⑤わからない:0%
●コメント
・オミクロン蔓延で出社率30%以下の指示があった。
・リモートワーク率70%の目標があり、人事が進捗を確認しております。
・まん延防止措置実施期間は出勤率30%で対応しています。

Q2. ここ3年(令和時代)、組織体制の変化はありますか?
①変わった:25%
②少し変わった:31%
③変化中:19%
④変わらない:25%
⑤わからない:0%
●コメント
・経営陣の号令の下、変わらなければという雰囲気ではある。
・コロナ禍になり、在宅勤務の導入や早期退職者の募集等で体制の変化がありました。
・ガバナンスの強化に向けた組織運営体制の見直しで、執行役員体制や部署の改編があった。

Q3.ここ3年、人事評価制度の変化はありますか?
①変わった:31%
②少し変わった:19%
③変化中:19%
④変わらない:31%
⑤わからない:0%
●コメント
・2019年に人事制度を刷新した後、2021年に行動規範が改定されたことを受けて2022年から行動評価を更新。
・年功主義から能力100%へ変わっていっている。
・今期から本人の職位内ランク(7ランク)を半期ごとに開示することになりました。ランク構成比も通知されるため、客観的な評価を把握することができるそうです。また、評価要素を現在の①服務②就業活動③業務能率④成果⑤コミュニケーションから①服務②オペレーション③コミュニケーション④リーダーシップ⑤マネジメントに変更することになりました。
・昇任プロセスの変更や、評価面談の充足など。

Q4. ここ3年、会社の社員に対しての働き方に関しての施策の変化はありましたか?
①変わった:31%
②少し変わった:37%
③変化中:19%
④変わらない:13%
⑤わからない:0%
●コメント
・それまでも週1回の在宅勤務制度がありましたが、2020年に制度としてリモートワークに改定し、最大週4回までのリモートワークできる様にした。場所に関しても、自宅以外に、サテライトオフィス、介護等の理由があれば実家など枠を広げた。
・シェアオフィス利用、在宅勤務、柔軟な勤務時間の制度ができたこと。
・男性育休が取得しやすい制度を導入したことで3年前0件だったのがここ3年で平均3人取得できるようになりました。まだまだ少ないですが。
・テレワーク(コロナ前に導入)、副業解禁

Q5.ここ3年、社員のエンゲージメント(愛社精神、会社に貢献したいと思っている姿勢)に着目した施策を行っていますか?
①行っている:0%
②少し行っている:50%
③計画中:13%
④行っていない:31%
⑤わからない:6%
●コメント
・会社がこれまで大切にしてきた価値観を整理し言語化しての発信をはじめた。
・若干一方通行な感じは否めないが、かたちとしては計画中。
・2年に1度エンゲージメント調査を実施。
・行動指針にあたるキーワードを題材に、ワークショップなどを実施。
・会社のコーポレートメッセージを新しくし、初めての全社会議があり、社長より想い等のお話しがありました。他には会長直々に褒めていただける「ブラボーカード」という制度もございます。
・経営方針を実現する具体的なアクションの一つとしてエンゲージメントの向上があげられ、委員会を作って社員の意識調査や各部署との施策の検討を行っている。

Q6. ここ3年、組織の活性化は進んでいますか?
①進んでいる:7%
②少し進んでいる:31%
③格差がある:25%
④後退している:25%
⑤変わらない:6%
⑥わからない:6%
●コメント
・デジタルやSDGsに特化した部署や、大手小売業へ特化した部署ができるなど活性化は進んでいると感じます。
・ビジョンの策定やエンゲージメント向上に向けた検討など、若手社員も含んだボトムアップ型の検討会が立ち上がるようになった。

Q7. ここ3年、社員全体のモチベーションは上がっていますか?
①上がっている:0%
②少し上がっている:19%
③格差がある:19%
④変わらない:12%
⑤下がっている:19%
⑥わからない:31%
●コメント
・働き方が多様化し、柔軟な働き方ができるようになったことでモチベーションが上がっている社員も多いですが、コロナ禍で売上が思うように上がらず悩んで
いる社員も多いと感じます。

Q8. 社員のモチベーション、働き方、エンゲージメントに関して課題を抱えていますか?
①抱えている:50%
②少し抱えている:44%
③抱えていない:0%
④わからない:6%
●コメント
・社員の求めるものが社会情勢同様多種多様になってきており、会社は提供しきれていない。また求めるものすべてを提供していたら、今の社会情勢では会社の経営は持たないとも思う。

その他、回答者ご自身に伺った質問において
Q9. あなたの職位は?
①経営職(取締役・執行役員):6%
②上級管理職(事業部長・部門長):0%
③初級管理職(課長・課長代理):25%
④一般社員:44%
⑤その他:25%

Q10. 現在、在宅ワーク、リモートワークをしていますか?
①基本的に在宅ワーク:25%
②週に数日在宅ワーク:50%
③していない:25%
●コメント
・COVID-19の感染状況によりますが概ね在宅でワークをしており、必要に応じて出社・出張をしています

Q11.日々取り組んでいる仕事に対して、充実感、やりがいを感じていますか?
①感じている:69%
②少し感じている:19%
③あまり感じていない:12%
④わからない:0%
●コメント
・日々精進をしているが、その分今後の社会生活の中で得るものが大きい。自分のポジションが踏ん張らないと、全てが崩れてしまうのではとプレッシャーも感じている。
・労働組合の仕事で多くの社員に関わることが出来ており、やりがいを感じています。
・興味のある仕事なので楽しい
・立ち上げて3年の部署で、周りからは実績を評価され始めている。組織内の部署の位置づけは曖昧だが、自らのビジョンに向けて行動しているため。

Q12.日々取り組んでいる仕事に対して、充実感、やりがいを感じていますか?
①感じている:37%
②少し感じている:25%
③あまり感じていない:19%
④わからない:19%
・やりがいはあるが、10年以上同じ部署なので多少の閉塞感がある
・不満足という理由は一切ありませんが。次のセカンドステージへ上がりたく再出発したいため。
・現状では生き残りを意識しているが、機会があれば、この組織でなくても構わないと感じている。

第2部
 第2部は、“今、働きたい会社を目指す、富士通の取組み!『13万人のやる気を彫り出す!パーパス(存在意義)・カービングの進め方と効果』“をテーマに、富士通株式会社 Employee Success本部 Engagement & Growth統括部 FUJITSUユニバーシティ エキスパート 藤園 賢治様にご講演いただきました。
 まず最初に、藤園様の自己紹介と会社紹介がありました。
藤園様は技術者として富士通株式会社に入社され、その後、富士通九州ネットワークテクノロジーズ株式会社(以下QNET)へUターン出向となり、ICTエンジニアとして管理職をご経験、2012から社内の人財育成委員、2014年には人材開発部門へ、そして2020年の役職離任後も経営企画部門でご活躍されてこられました。そんな中、QNETは2021年10月、開発機能の集約による新たな体制構築を目的に富士通株式会社に統合され、藤園様ご自身もQNETの820人の組織から13万人を抱える富士通株式会社へ異動、現職となりました。
 富士通株式会社は、IT企業からDX企業へ変わろうとしている大きな転換期にあり、全社でDXを進めていくためのプロジェクトとして、富士通トランスフォーメーション「FUJITRA」が推進されています。「FUJITRA」とは何か、富士通が考えるDXのポイントとしてDX推進責任者の福田常務のメッセージ動画をご紹介いだきました。
Fujitsu Acitivate Now]Fujitsu Transformation(フジトラ) 紹介ダイジェスト(3分版)

富士通のDXはカルチャー変革にフォーカスしていて、そこに必要なキーワードとして、「パーパスを胸に」「オープンなコラボレーション」「わたしらしい働き方で」「最高のエクスペリエンスを」「データを武器に」「とにかくやってみよう」「全員参加で」「未来をリ・デザイン」「ファーストペンギンとして」の9つが挙げられています。
 パーパス・カービングに至るまでの背景には、2019年時田社長が就任した頃からIT企業からDX企業への変革がアジャイルに進めれてきたことがあり、ジョブ型人事制度の導入、グループ会社の集約、One富士通、シンプルな組織体系、評価制度の見直しなどが進んでいく、そんな中で一人ひとりの想いが基本であることから、パーパス・カービングの活動につながっていった、とのことでした。
 パーパス・カービングは、富士通のグループ会社であった富士通デザイン(合併済)からスタートし、社内の文化、風土を変える時期に、これは良いプログラムだということで、全社展開となりました。藤園様はパーパスについて「自分の価値観に基づき、周囲や社会との関係性を意識した存在目的・存在意義」とし、実際のイメージとして合力の図を紹介いただきました。会社・他者のパーパスのベクトルと個人のパーパスのベクトルが違うからこそ、多様性を合わせ持った合力、すなわち変革の原動力が生まれる。最終的に変革を起こしたい、つまり、今までの自分のベクトル、会社・他者のベクトルとは、違うベクトルを作りたいということを、一つの変革のイメージとして捉えている。自分の想いだけ強くしていたら、そのベクトルが伸びるだけで、他の力が生まれない。では、どうするか?そのためには、会社のパーパス、他の人のパーパスを受け入れて、理解して、そこに自分のパーパスを考え合わせることで、新しい原動力ができるのではないか?富士通の変革はこのように起こしていきたい、そのための元になるのが個人のパーパス、だから、パーパス・カービングによって個人のパーパスを創りだしていこう、というイメージでした。
 富士通のパーパスは、「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくことです。」
 パーパス・カービングは、社員一人ひとりが自分自身のパーパスに気づくための対話プログラムです。一人ひとりの想い、何のために働いているのか、成し遂げたいことは何か、その想いをカービング=彫りだす、もともと、自分が持っているものを彫りだす。個人や共に働く仲間とパーパスを彫りだし言葉にすることで、その互いの関係性から組織を形作っていくとうもの、自分の想いを明らかにするために対話する、という説明をいただきました。

 後半はパーパス・カービングの具体的な進め方について、お話しいただきました。パーパス。カービングの対話プログラムは自分を知り、パーパスを彫りだす2回のグループワークで構成されます。事前課題として作成した振り返りシートをもとに、インタビュアーの質問に応える。質問に応えることで、自分の言葉を噛みしめ、新たな気づきを得る。得られた気付きも参考にそれぞれパーパスシートを作成し、パーパスを語り合う。自分のパーパスを紹介し、対話を通して、パーパスの新たな持ち味に着目し、磨き上げていく。自分自身がブラッシュアップされると共に、他の人の、その人らしさ、その人の人となりがわかってくる。
パーパス・カービングは、創りあげたところが始まりで、これからもずっと磨き続けていくもの。参加者からのコメントでは、活用シーンとしては、自己紹介、名刺のコメント、1 on 1などが挙げられていて、自己理解、相互理解、心理的安全性から関係構築に役立つものとして腹落ちして受けてもらえた様子があったそうです。
 藤園様からは、改めて考えるとパーパスドリブンは究極のダイバーシティ、外見とか容姿は関係なく、自分がなんのために働くのか、なにをやりたいのか、価値観はこうです、ということを表したシート、それをベースに富士通の変革をやる、ということは、ダイバーシティそのものなのではないか、との考えをお話しくださいました。変革を促すためのイベントではあったのだけど、とても意味のあるイベントであった、バーバス・カービングを文化とすることで強い組織になるのでは、という想いが述べられました。

藤園様、貴重な事例をお話しいただき、ありがとうございました。

(文責:臼井淑子、山岡正子)

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