2021年5月26日(水)
加速する多様な働き方へのシフトと葛藤
~富士通グループのワークライフシフト~
事例発表:富士通九州ネットワークテクノロジーズ株式会社
マネジメント戦略統括部 経営企画部 エキスパート 藤園 賢治氏

第1部
まず初めに本日のファシリテーションを担当する田中より、皆さまの企業・組織の状況について、アンケート結果の共有が行われました。
「Q1.現在、あなたの企業・組織では在宅ワークやリモートワークをどの程度行っていますか」という質問に対しては、“基本的に在宅”が17%、“週3日~4日”が39%、“週1日~2日”が33%、“行われていない”が11%という結果でした。具体的な例として“営業社員、内勤社員はリモート率70%以上を目標にしている”、“本社系は70%、工場は50%を目標にしている”というコメントがありました。
「Q2. 今後も在宅ワークやリモートワークを推進は続きますか ?」については、56%の企業・組織が“推進する、少し推進する”という回答でした。
「Q3. 在宅ワークやリモートワークの推進で生産性は上がりましたか?」については、“上がっている、少し上がっている”が39%の一方で、“どちらとも言えないと答えた方が33%となり、集中できる環境や同僚・上司との情報共有、メリハリのつけ方などが課題のようです。
「Q4.JOB型人事制度を投入していますか ?」について、“導入している”と応えた22%の方からは、“管理職には導入済み、一般層は今後計画”、“専門職を中途採用中心で行っています。”というコメントがありました。
「Q5.副業、兼業は認められていますか?」は、“認められている”が5%、“条件付きで認められている”が39%となり、条件つきでの運用が増えてきています。
「Q6. 多様な働き方を推進する取り組みや制度はありますか?」については、“ある、少しある”が56%となり、“治療との両立制度(難病や不妊治療との両立者に有給付与)”、テレワーク支援、サテライトオフィス整備、コアレスフレックス制、副業制度“、” スーパーフレックスタイム制度、テレワーク制度、育児・介護・治療による短時間勤務制度や両立支援等“、何らかの形で取り組んでいるようですが、「Q7. 多様な働き方に関して、課題や問題を抱えていますか?」では、”抱えている“が61%となり、多様だからこそ課題が多いと感じられるコメントが多数あがりました。

第2部
テーマ:加速する多様な働き方へのシフトと葛藤~富士通グループのWork Life Shift~
富士通九州ネットワークテクノロジーズ株式会社 藤園賢治様

富士通九州ネットワークテクノロジーズ株式会社(以下QNETと略称にて表記させていただきます)の藤園さんより、『加速する多様な働き方へのシフトと葛藤』をテーマにお話しいただきました。QNETさまは、福岡県に本社を置く富士通グループ会社として、5Gや光通信などのネットワークシステム、画像ソリューション、さらにはAIに関するシステム開発を中心に事業展開されている企業です。
その中で藤園さんは技術者として富士通に入社。その後QNETへUターン出向後も開発者として、管理職として技術現場でご活躍されました。
2012から社内の人財育成委員、2014年人材開発部門へ。異動後は人材育成、キャリア支援、ダイバーシティ、働き方改革に取り組まれ、現在は経営企画部門に従事されています。
ご自身もキャリアコンサルタントの国家資格を持ち社内のキャリア支援もおこなわれています。
QNETさまは従業員数858名うち女性62名、平均年齢46歳。どちらかというと昭和的組織風土が根強く残る会社でした。そんな中、コロナ感染拡大により昨年4月から富士通全体で在宅ワークが推奨され、7月には富士通の時田社長の強いリーダーシップのもと、富士通グループ全体の新しい働き方『Work Life Shift』がスタートしました。富士通のWork Life Shiftは、多様な人材がイノベーションを起こし、企業の成長と働く人のWell-Beingを目指して「Smart Working:最適な働き方の実現」、「Borderless Office:オフィスの在り方の見直し」、「Culture Change:社内カルチャーの見直し」の3本柱から構成されているそうです。
「Smart Working」ではコアタイムの撤廃、通勤定期券を廃止、単身赴任解消しテレワーク環境整備のためのスマートワーキング手当を支給するなど、テレワーク中心の働き方へとシフト。
「Borderless Office」として既存オフィスを縮小し主要駅周辺や自宅近辺のシェアオフィスなどを増やし、快適で創造性のあるオフィス環境へのシフト。
「Culture Change」では自律的人材育成、イノベーションの創出を生むため制度やマネジメント変革へのシフト。
私は2012年からQNETさまの人材育成やダイバーシティにかかわらせていただいておりますが、昭和体質だった組織風土が、この1年での大きな変化に大変驚きました。
一方、社員の方はこの『Work Life Shift』という大改革をどう受け止められているのか?に関しては、8割の方が好評価ではあるものの、戸惑いや葛藤も多く、コミュニケーションやチームの生産性、社員の健康面など課題はまだ多いとのことでした。
しかし富士通グループ全体での『Work Life Shift』は、コロナに関係なく今後さらに強力に推進されることから、九州のグループ会社であるQNETさまの『Work Life Shift』も加速していきそうです。今後はさらに課題解決とイノベーションの創出に向け、オンラインを活用した幹部を含む社員どうしのコミュニケーションの場づくりや、社員が自発的にチャレンジすることを支援するマイチャレンジ活動など、QNEさま独自の新しい取り組みにもチャレンジしたいとのことでした。
事例発表を聞かれた皆さんからは「とても刺激を受けました」「今後の参考になる発表でした」という感想とともに、たくさんの質問が出ていました。
「昭和体質な組織がどうやって急に変わったのか?」「現場ではどのような葛藤があったのか?」「不満を言う人はいなかったのか?」などの質問に、藤園さんは一つ一つ丁寧にお答いただきました。コロナ禍で企業は大きく二分されるといわれる中、時代の変化に対応するためにかじ取りをした富士通グループさまの『Work Life Shift』へのお取組みは、まさに変化を感じる事例発表でした。藤園さま、今回は貴重な事例発表をありがとうございました。心より感謝申し上げます。

(文責 田中慶子、山岡正子)
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