「令和時代に進化・発展の道か?停滞・消滅の道か?~問われる組織と個人の選択~」

本日は「令和時代に進化・発展の道か?停滞・消滅の道か?~問われる組織と個人の選択~」と題し、当研究会の主催者、植田寿乃が登壇しました。以下 発表された内容に従って、4つの項目に分けてレポート致します。

「1.令和時代でのコロナ禍、 ピンチか?チャンスか? 7カ月が過ぎてどう変わったか?」
ダイバーシティ創成期である2000年を境に世の中変わった!とコロナ前は話していたが、コロナを機に令和が始まったといってもいい。まさに令和激震時代が始まった。今までは足を止めて自分の人生を見つめることがなかったが、在宅勤務が増え、家族との時間が増えたことで、自分の人生を見つめ直す機会をなった。そして、コロナ前も進めてきた働き方改革も5年間分前倒しになった。時代が進んだといってもいい。そんな中、企業、組織は二つの方向に分かれていく。ひとつはコロナ以前に戻る組織、そしてもう一つは、コロナを機に進化する組織。さらにコロナ禍は50代以上の昭和感覚世代と変化を柔軟に受け入れ、ITが当たり前の20代から40代の価値観ギャップも生んでいる。
また、既定概念にとらわれず、前を向いて進んでいく企業、組織、個人はコロナ禍を追い風(チャンス)として進化することが加速していくだろう。

「2.令和時代企業が注力すべきこと ★DX(デジタルトランスフォーメーション)とモチベーション」
今は、オンライン風土醸成のチャンス。コロナ禍で働き方改革が進み、誰もがオンラインの世界を経験した。この経験を「0」にしてはいけない。経験値としてさらに風土醸成をしていくことが大事。
誰もが、自分の価値観、能力、モチベーションやワークライフバランスと向き合った。
能力×モチベーション=業績、結果だとしたら、モチベーションが下がっていたら業績、結果は下がってしまうが、モチベーションが復活するきっかけさえあればOK。自他のモチベーションを意識する集合体にすることに意識を向ける必要がある。さらに、働き方改革の本質に取り組むチャンスでもある。今までの働き方改革の延長ではなく、限られた時間の中で質の高い仕事をするにはどうしたらよいかという視点を持ち、意識改革をしていく必要がある。

「3.令和時代個人が注力すべきこと ★エンプロイアビリティ★」
令和時代のキーワードは「エンプロイアビリティ(雇用される能力」」
20代、30代、40代、50代各年代に応じた役割がある。年代の役割を意識していくことでエンプロイアビリティは高まっていく。
また、キャリア志向性(仕事観)を個人も会社も知っておく必要がある。ミスキャストが起こっているケースもあるので、今後、どう働いていきたいかを人生状況の変化で変わることがあるということを会社は知っておくことが大事になってくる。そして、令和は人財育成、人財確保の時代。人財育成は会社にとって投資。
一人一人が持つ能力を企業が見極めていくことが大事。プロフェッショナルやエキスパートという人財を確保していくことは企業にとって重要な課題になってくる。
そして個人としてはエンプロイアビリティを磨いていくことが重要な課題。
令和の時代、どんな専門分野をもっているのか、ITスキルはあるかコミュニケーションの力があるかは大事なキーワード。そして、ライフキャリアビジョンについては、50代の上司は管理職になると下がってしまう傾向がある。管理職になって安心してしまうのかもしれない。
オンラインの世界だからこそ、人間力が必要。部下を動機付けるリーダーが今後はますます求められてくる。

「4.何から始めるか まだ見ぬ未来への挑戦」
今、変わるべきときにやるべきこととして、1.断捨離 2.投資 3.挑戦の3つ。
断捨離は不要なもの、無駄なものを捨てることはもちろん、「既成概念」を捨て白紙の状態にすることで新しい発想ができる。デジタルやITへの投資、人財育成、成長への自己投資も必須。さらに挑戦することを止めないで、トライ&エラーでノウハウを蓄積する。数とスピードが勝負となる。
オンライン研修についてもメリットは多くあり、例えば、あら還世代の経営層がオンライン研修を受講したところ、意外にも楽しんで参加していたり、1泊2日で行っていた女性のリアル研修を半日×3日にしたところ、リアル研修よりも絆が深まった。また、管理職の1日研修も半日×2日で参加しやすくなりドタキャンがなくなった。全体を通してのキーワードは「人間力」。オンラインが加速する今だからこそ人間力が問われてくる。

ブレイクアウトルームでのグループワークでは、それぞれの組織の状況を振り返りながら、活発な意見交換が行われ、その様子はアンケートのコメントからも伺えました。いくつかご紹介させていただきます。
・大きな方向感を確認できた
・平成とは違う令和激震時代の働き方についてよく理解できましたし、非常に納得感がありました。グループワークでもテレワークの現状や組織の考え方、メンバーの意識など共有でき、気づきが多かったです。
・いつもこの会に参加をするといい刺激を受けていますが、今回も植田さんのお話で何度も出てきたエンプロイアビリティーを今まで以上に意識したいと思います。できない既成概念を捨てるということと、挑戦(数とスピード)にも意識をして社内の改革を一つでも多く進めていきたいと思いました!ありがとうございました。
・新しいキーワードがたくさんあり、もう少しお話を続けて聞きたいと思いました。
資料が見やすいこと、先生の顔がよく見えること、グループワークの際に否応無しにお話しできることはオンラインならではかと思います。
・コロナ禍でどう変われるかあらためて改革の推進を認識できました。
・グループワークは本当にいい機会を頂いたと思いました。毎回、違う方とのグループでも良かったかなとは思います。
・Withコロナ、Afterコロナの状況が織り込まれていて、いろいろ考えさせられるとことがあった。
・たくさんの気づきがあって、大変参考になりました。
・自分自身の仕事観を振り返ることができ、これから何を大切にしていけばいいかも知ることができたので、とても貴重な時間でした。
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<次回の予定>
【第6回】11月20日(金) 
オムロンのダイバーシティ施策とSDGsへの取組
~女性活躍推進&ダイバーシティ推進の軌跡と未来に向かって 
事例発表: オムロン エキスパートリンク株式会社 上村 千絵氏

皆様のご参加を心よりお待ち申し上げています。引き続き、どうぞよろしくお願い致します。
(文責:高久和男、昌宅由美子、山岡正子)