2020819日(水)
第3回「オンラインへシフトするための管理職のマネージメント&リーダーシップ ~求められるITリテラシー リモートでの信頼関係の構築~」

 この度のコロナ禍の現状を踏まえ2020年6月より、オンライン研究会を発足させ第1回目、2回目は研究会運営メンバーが発表させていただきました。
 今回より、これまでのD&I研究会の流れを引き継ぎ、企業、組織でご活躍される方々による事例発表を中心に進めることと致しました。
【1部】主催者挨拶、アンケート分析結果報告 植田寿乃
【2部】パナソニック エイジフリー株式会社 レセプトサポート部 課長 小松 多惠子氏

【1部】まず初めに植田より、皆さまの企業・組織の在宅ワークやリモートワークにおけるコミュニケーション状況や課題について、アンケート結果の共有が行われました。

「現在、あなたの企業・組織では在宅ワークやリモートワークをどの程度行っていますか」、という質問に対して、「週1日~2日」が最も多く53%、「基本的に在宅・リモートワーク」は26%で、在宅勤務を継続している企業と、出勤を基本とする勤務形態へ戻る企業との、両方向あることが分かりました。
 「組織・チーム内のコミュニケーションにおける問題点・課題」については、「ある」・「少しある」で95%。具体的な内容としては、通信状況、オンラインに不慣れであること、発言のタイミングが難しいことなどが挙げられました。
 次に、「在宅ワーク者、リモートワーク者の評価基準、指針はありますか」、という質問については、「ある」・「一部ある」が16%、79%が「ない」と回答。制度が未整備である状況が浮き彫りとなりました。
 また、「管理職・リーダーに対して、多様な働き方のメンバーのマネジメントや評価に関する指導や研修を行っていますか」という質問については、「行っている」・「少し行っている」が47%、「行っていない」が37%でした。「行っていない」という方の自由回答では、上層部が必要性を感じていない、以前は行っていたがコロナで休止している、人事制度の説明のみでマネジメントは個人まかせ、という声が上がっていました。
 さらに、参加者個人の方に対する質問で、「チームメンバーとのコミュニケーションにおける悩みがありますか?」という質問については、「ある」・「少しある」で69%と、7割の方が何らか悩みを抱えていらっしゃる状況が分かりました。

【2部】パナソニック エイジフリー株式会社にお勤めの小松さんからは、「オンラインへシフトするための管理職のマネージメント&リーダーシップ ~求められるITリテラシー リモートでの信頼関係の構築~」をテーマにお話しいただきました。
 小松さんは二人のお子様を育てながら、43歳の時に短時間勤務のワーキングマザーとして課長に昇進されました。評価対象となるメンバーは九州から北海道、日本全国で働いていることから、小松さんにとってチームメンバーをリモートで管理することは、コロナ禍に関係なく当たり前の日常であるとのことでした。
 ご紹介いただいたマネージメント手法には、管理職として「生産性」を追求する一方、メンバーの成長を応援する暖かな「マインド」が感じられ、参加者からは「初めてロジカル&ハートフルなマネージメントで部下の自立を押し上げている方にお会いしました。」とのコメントがありました。
 小松さんのマネージメント手法をいくつかご紹介させていただきます。「業務基準作成・標準化」では、発注、見積もり印刷、日報入力など、ひとつひとつの業務にどれぐらいの時間を要しているのかを細分化して時間を計り、無駄な作業を削減し、最も効率の良い手順を探求するよう推進されてきました。「総労働時間×30%を削減」するという目標設定においては、メンバー自身に自分の仕事を①絶対にやる仕事(やらないとまずい)、今よりも増やしたい仕事、必要だが効率化ができると思う仕事、④いまよりも減らしたい(なくしたい)仕事、というように分類することで自分の仕事を可視化できるような仕組みを取り入れてこられました。また、約600項目ある行動基準を「好きか嫌いか」、「得意か不得意か」を軸に分類することで、メンバー自身がどのような仕事に取り組みたいのか自己分析ができるようなツールを提供されてきました。
 このように、日頃から自主性を育み、自立を促してきたことで、コロナ禍における変化の中でも、自ら考え行動できるチームになれていることが実感できているとのことでした。
職場環境で意識しているのは、恩返しではなく恩送り、自分がやってもらって嬉しかったこと、感謝したことを、後進の方々に送ることによって恩返しをする。お互い様の気持ちで助けあう風土作りを目指す中で信頼関係の輪を広げてこられました。
 お互いを理解しあうためにも、定例の面談はもちろんのこと、個別の状況に合わせて話しかけ、会話によるコミュニケーションの時間を大切にしていらっしゃいます。一人ひとりの業務態度を細やかに観察していらっしゃる姿からは、誰一人として置いてきぼりにしない、チーム全体で成長していくのだという強い意志が感じられました。
 参加されたか方々からは、“一番大事なことは「信頼」なんだなと痛感しました。”、“オンラインだからと言って特別なことをするのではなく、部下と共通のツール上で会話することや、こまめなケアを行うことが重要と感じました。”、“小松さんが活き活きと発表されていて、自分のモチベーションアップとやるべきことのヒントをいただけました。”などたくさんのコメントをいただきました。

小松さん、心に響く素敵な発表をありがとうございました。
komatsu_san


参加者同士の意見交換の場としては、Zoomのブレイクアウト機能を利用したグループワークセッションを実施致しましたので、そこでの意見もいくつかご紹介いたします。
<在宅勤務について>
・在宅勤務の状況は、緊急事態宣言が発令されて、やむを得ず実施した在宅勤務とは違い、会社の方向性が、ぞれぞれ出始めたという印象です。
・労使協議の中での在宅勤務の方向性の話では、やはり、社長の意向に左右されるため、人事部長が困っていたり、出勤率を25~30%として、制度として進めていく会社は、デスクワーク以外の人たちの在宅勤務へのシフトや在宅勤務にかかる費用の検討など、一歩も二歩も先へ行く会社ならではの課題が出てきているようです。
・在宅勤務が進まない会社は、出勤していないと自分の存在感をアピール出来ない管理職や上層部に問題があるのでは?という本音の話も出ていました。
<小松さんの発表を聞いて>
・コミュニケーションの取り方が素晴らしい。
・目標設定をして、計画をたて、それが出来ているかどうかを確認する。上司としては当たり前のことかもしれませんが、とにかく、メンバーの話を聴いて、何をどうしたいかをメンバーに聴いており、個人の自立を促している。
・小松さんからは、子育てや介護で時間制約があって仕事をするのは、時間の制約がない人とは全く違う。だから、自分だけでやろうとするのではなく、誰かを頼って、誰かの力を借りて仕事を進めていくことが大事。そして、「育児は最強のスキルアップ」という名言が出ました。
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<次回のオンライン研究会のお知らせ>

【第4回オンライン研究会】2020年9月11日(金)
女性研究者の活躍とダイバーシティ推進 ~研究員26年の歩みとここ2年間~
国立研究開発法人 産業技術総合研究所
イノベーション人材部 ダイバーシティ推進室 佐藤 縁氏
皆様のご参加を心よりお待ち申し上げています。引き続き、どうぞよろしくお願い致します。
(文責:キャリアコンサルタント 臼井淑子、キャリコンサルタント 山岡正子)