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活性化して成長&発展し続ける企業になるために取り組むべきことは根底で全て繋がっています。 ダイバーシティ推進、女性活躍推進、働き方改革、イクメン推奨、イクボス教育、シニアのモチベーション向上、多角的な切り口で、参加企業メンバーが互いの実体験、課題を共有しさらなる取り組みの方向性を見出すことと、企業を超えて、信頼で結ばれたネットワークの構築を目指す研究会です。

2017年9月12日(火)開催【第4回】ダイバーシティ&インクルージョン研究会レポート

2017年9月12日(火)開催
第4回ダイバーシティ&インクルージョン研究会
「ダイバーシティ組織をリードするワーキングマザーから学ぶ『働き方改革』」

第4回目となるダイバーシティ&インクルージョン研究会は、事務局合わせて16名となり、下記のような2部構成で開催致しました。
【第1部】主宰者 植田による事前アンケートの分析結果報告&ミニ講義
【第2部】事例発表 ミヨシ油脂株式会社 経営企画室 佐藤範子氏

【第1部】主宰者 植田による事前アンケートの分析結果報告&ミニ講義
■事前アンケートより(回答数:13名)
 ダイバーシティ推進をリードしている部署について、人事&人材開発部門と回答したのは39%、ダイバーシティ推進専門部署23%、暫定的プロジェクト体制が15%。反面、推進部署が無い15%、社長室・経営企画は0%。
ダイバーシティ推進を率いるリーダーについて、ワーキングマザーと回答したのは25% (小学生以下の子供がいる17%、中学生以上の子供がいる8%)、男性25%とワーキングマザーと同率でした。
 20代~40代のワーキングマザーは、ここ3年で増えている(33%)と少し増えている(67%)の合計で100%。 女性は働き続ける時代となってきていると言えます。
20代独身女性達のロールモデルとなるワーキングマザーが増えてきていると7割近くが回答していますが、ワーキングマザーたちの働き方は周りの人たちに良い影響を与えているかの問いに対し、「与えている」「少し与えている」の合計が16%、個人差あり25%、わからない59%。昇格スピードにつき当事者が満足するものかについて満足はゼロ、やや満足17%、やや不満足25%と不満足25%で否定感が5割、分からないは33%。しかし、正当に評価する上司、管理職は増えているかの問いについては、増えている、少し増えている合計で50%と、これからの改革が期待できます。

■主宰者・植田によるミニ講義
講義概要を下記します。
女性活躍推進、ダイバーシティ推進は組織風土改革であり、キーパーソンの信念と求心力が重要です。人は共鳴し感動した時に変わることができます。
キーパーソンの条件は次の通りです。
1.自分事(自分の人生)として女性活躍推進を体感している
2.自分自身がイキイキ働く、生きることを体現している
3.時間を管理し、ワークライフバランスを大切にしている
4.自分の言葉で情熱で、ダイバーシティ推進の重要を周りに語れる
5.ダイバーシティ推進の未来を信じ継続して行こうという強い想い
6.自分の足で、生の声を聴きまわるフットワーク
7.次の人にしっかりとバトンを引き継ぐ気配り、心配り
長時間労働や滅私奉公に代表される昭和的なスタイルと決別し、ダイバーシティ時代の働き方、生き方を体現することがキーパーソンの役割であり、その代表格が時短で働く女性たちです。育休明けの女性は、限られた時間でのアウトプットを挙げる工夫や仕事(会議、連絡)を自ら見直し効率化を図る為にタイムマネージメント能力が高くなります。また増加するイクメンや介護者、シニア層などへの理解が深まりワークライフバランス実践へと繋がります。子育ての実体験や持ち前の母性が部下を育て活かし、周りの人を見捨てず可能性を広げていきます。ワーキングマザーは働き方改革のロールモデルなのです。
 勿論、トップメッセージは必要ですが、経営陣だけがキーパーソンだと、その構造自体が軍隊型となる傾向があり強制されても人の意識は変わりにくく、トップダウンには限界があります。また、女性達だけでは、男女や既婚未婚などの不公平感が増長する懸念があり、ボトムアップにも限界があると言えます。
 意識改革だけでなく、言動、態度の変革が重要であり、経営陣、人材開発部門、管理職、男性社員、女性社員、それぞれの立場を尊重しつつも、風土改革を進めるには、経営トップと現場当事者(女性)のタッグが重要です。
 男性トップキーパーソンが上から下への流れを作り、女性キーパーソンが横に繋げる拡大パワーを発揮することで布状態での広がりから変化が起きれば組織が変わっていきます。
更に、年代毎に求められる役割『20代=成長、30代=自立、40代=責任、50代=貢献』と人生に起きることを自覚することで、上述の縦横の絆に斜めの強みが加わり、変革の為のエネルギーを持続することができ、社内浸透も進みやすくなります。

■ディスカッション
 アンケート結果やミニ講義を踏まえたテーブル毎のディスカッションでは、時短取得者に対し周りの理解はマダマダ、定時退社で生産性が高いので働き方としては素晴らしいが、定時で帰っちゃうんだ、軍隊世代の男性たちが、たまには残業しろ、の空気を出すこともある等の懸念点が共有された後、社員其々が努力することが大切、部署毎の温度差があるのは避けられない、急激な変化を求めると強い抵抗にあう等の課題について、解決に向けた意見交換に集約していきました。
 ワーキングマザーがキーパーソンであることは頭では理解できても、ロールモデルがいない現場での男性上司の意識不足や経営者の理解不足他、キャリア育成に関する取組みに問題があると考えていることが今回のアンケートでも反映され、課題が【ある67%/少しある0%/無い0%/わからない33%】と極端な回答となりました。政府主導の働き方改革に沿った言葉を使うこともノウハウの一つですが、風土改革は一朝一夕では実現できず、ダイバーシティ&インクルージョンに繋がるには時間が掛かります。やり続ける事が肝心、地道な取り組みの連続であることを改めて認識しました。

【第2部】事例発表 ミヨシ油脂株式会社 経営企画室 佐藤範子氏
 ミヨシ油脂株式会社の佐藤範子さんからは、「ダイバーシティ組織をリードするワーキングマザーから学ぶ『働き方改革』」をテーマに、女性活躍推進委員会“きらり!”の取り組みについて発表いただきました。最初にご紹介いただいたミヨシ油脂株式会社の経営理念には、『「人によし、社会によし、未来によし」、油脂の力を活かした“ものづくり”を通して、すべての人から信頼される企業であり続けることを目指します。』と掲げられており、これまで一度もリストラをしたことがなく、男性、女性に関わらず勤続年数が長いというお話しから、従業員を大切にする社風が伺われました。
 佐藤さんは、本ダイバーシティ&インクルージョン研究会の前身となる「女性と組織の活性化研究会」からのメンバーであり、“一緒に働く人たちがライフイベントなど様々な壁にぶつかった時にも、成長をあきらめずに活き活きと働き続ける姿を応援したい”という強い意志の下、これまでの研究会にも熱心に通われ、また、植田が主催する植田道場の道場生として社内講師の勉強も続けてこられています。その気持ちが実り、2016年1月に女性活躍推進委員会“きらり!”が発足しました。この“きらり!”の活動に関する社長のコメント「女性の働き方改革は現場からの声がきっかけだった」、「経営者が思いつかない視点や提案は刺激になる」が日本経済新聞に掲載されるなど、社内でも注目されている取り組みとなります。
 初年度の活動内容としては、ランチミーティングや社員意識調査、他事業所との交流会などがあります。社員意識調査は初年度にどうしても実施したいという思いがあり、外部機関を利用して客観的な現状分析ができるように、社内のさまざまな人と交渉して実現されたそうです。他事業所との交流のきっかけは、社長から“きらり!のメンバーで工場見学に行ってきたら?”と提案いただけたことで、訪問先の上司の方々にも快く受け入れていただき、また、工場見学だけでなく、直接“きらり!”の活動紹介をしたことで、有意義な時間が共有できたそうです。8月には中間報告会として1月~6月までの活動報告を実施、報告会を行うなかで改めて自分達の活動を意識することができ、心地よい緊張で身が引き締まると共に上司の方々への理解を深めることができたとのことでした。
 活動2年目の今年は、他事業所との交流会の継続実施と、「仕事いきいき応援セミナー」という社内セミナーを企画し、“きらり!”のキャッチコピーである「輝け私!私たち!」の実現に向け、佐藤さんご自身が学んだ“幸せなキャリア”-自分らしくイキイキと輝くために-を共有することで、働くことを通じて成長し続けることの大事さ、自分で自分の人生を切り拓いていくことの大切さを伝えてこられました。
 今後の活動については、ダイバーシティ基本方針の策定や役員・幹部職向けの講演会、パパママ向け子供の教育お話し会、仕事と介護の両立、シニア世代の活躍推進、障がい者雇用支援など多岐にわたり、もはや“女性の活躍”ではなく、共に働く社員全体の活躍を推進したいという高い意欲をお持ちでした。また、佐藤さん自身がワーキングマザーとして働いてきた中で自分に起こった変化としては、日々忙しい毎日であるからこそ限られた時間を効率よく働くようになったこと、そして育休を取った時に感じた“自分がいなくても職場がうまく回っていることに対する一抹の寂しさ”のお話を伺いました。組織とはそういうものではあるのだけれど、その経験から、自分でなくてはできない、自分ならではの専門分野を持ちたいという気持ちが強まったそうです。
 参加者からの「なぜそんなにも情熱を持てるのか、その原動力を教えてほしい」という質問には、「社員一人ひとりの成長が、会社の活性化につながるし、それを実現したいから。一緒に働いている人たちが、もっとイキイキと働けるように、背中を押してあげたい。」というメッセージをいただきました。物腰が柔らかく、穏やかなお人柄の印象ですが、胸の中にある熱い想いと周囲を巻き込むしなやかな姿勢は、まさに現代を生きる、働く女性達のロールモデルであると感じました。
佐藤さん、ありがとうございました。

 次回の研究会は、第5回「生涯現役時代の50歳からの働き方とは」と題して、2017年11月24日(金)に開催致します。皆様の参加をお待ちしておりますので、引き続きどうぞよろしくお願い致します。
文責:キャリアコンサルタント 長島裕子、キャリアコンサルタント 山岡正子

【第4回】ダイバーシティ&インクルージョン研究会

◆2017年9月12日(火)13:30~16:30(13:00開場)
【第4回】ダイバーシティ組織をリードするワーキングマザーから学ぶ「働き方改革」

★事例発表★
ミヨシ油脂株式会社 経営企画室 佐藤範子氏

参加ご希望の方は、下記アンケートにご協力くださいませ。

<<開催概要>>

【日 程】2017年9月12日(火)
【時 間】13:30~16:30(13:00開場)
【定 員】50名(原則1社につき2名まで)
     3名以上で参加をご希望の場合はご相談ください
【参加費】研究会登録法人メンバー … 4,000円
     初参加(法人未登録)の方 … 5,000円
     (いずれも、領収書を発行致します)
【会 場】ミーティングスペース バルブ
          東京都品川区大崎2-11-1
          大崎ウィズシティテラス2階2B
         

<<懇親会>>

【時 間】17:00~19:00 or 19:30
【場 所】大崎駅近辺のレストランへ移動
【費 用】4,000円~4,500円
     (レストラン名にて領収書を発行致します)

*定員に達し次第締め切りとなりますので、お早めにお申し込みください。
*懇親会会場は参加人数により変動するため、当日のご案内となりますが上記金額内で設定させていただきます。
*会場手配の都合上、ご都合により欠席される場合は、研究会、懇親会ともに2日前までにお知らせください。

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■ダイバーシティ&インクルージョン研究会■
担当:山岡、神田、植田
〒107-6028港区港南2-15-1
品川インターシティA棟28階
有限会社キュー
ダイバーシティ&インクルージョン研究会研究会事務局
事務局アドレス:diwo@que.co.jp
研究会URL:http://diwo.jp
TEL 03-6717-4143  FAX 03-3490-7798
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2017年7月25日(火)開催【第3回】ダイバーシティ&インクルージョン研究会レポート

2017725日(火)開催
3回ダイバーシティ&インクルージョン研究会
「労使で取り組む『働き方改革』&ダイバーシティ」

 3回目のダイバーシティ&インクルージョン研究会には、オブザーバー・事務局あわせて20名が参加。今回のテーマが〝労使で取り組む″ということから、参加者の大半が労働組合の方で、男女の参加数もほぼ半々でした。

 今回の研究会は2部構成で行いました。

【第1部】 主宰者 植田による事前アンケートの分析結果報告&ミニ講義

【第2部】  事例発表 UAゼンセン流通部門 執行役員 宮島佳子氏

*事前アンケートより*(回答数:18名)

 労働組合の3役(委員長、副委員長、書記長)に女性がいるかとの問いに、「いる」と回答したのは35%でした。一方で、「ずっといない」が47%と半数近くにのぼり、まだまだ男性社会であることが垣間見えました。労働組合3役の昭和企業戦士度・イクボス度については、企業戦士度が高い・やや高いあわせて31%、イクボス度が高い・やや高いあわせて25%、どちらともいえない25%との結果で、イクボス3役が一定数いることがわかります。また、労働組合執行委員のワーキングマザーがここ3年で増えているかとの問いでは、23%が増えている(増えている6%、少し増えている17%)と回答しているものの、6割近くが「変わらない」との回答でした。この「変わらない」には、以前からある程度ワーキングマザーの執行委員がいるがここ3年では人数が変わっていない場合と、ほぼいないまま変わらない場合が考えられますが、フリー記述を拝見する限り後者が多いようです(執行委員に子供がいる女性がいない、育児を抱える女性は終業後や休日出勤が難しく参画が難しいなど)。同様の問い、イクメン執行委員の人数がここ3年で増えているかについては、53%が増えていると回答(増えている12%、少し増えている41%)。執行委員のメンバーが若返っている、子育て世代が増えているなどのコメントからも、労働組合で着実にイクメン男性が増えていることがわかります。続く労働組合組織の体質についての問いで、44%がダイバーシティ型(ややダイバーシティ型38%、ダイバーシティ型6%)と回答していることからも、世代交代が進んできており昭和軍隊型から変わりつつあることがうかがえます。

一方で、現在の労働組合の体質や体制に問題や課題を感じるかとの問いでは、75%が何らかの問題ありと感じていました(感じる44%、少し感じる31%)。

 ここから先の問いは、今次研究会テーマの本題です。

 労働組合が「働き方改革」&ダイバーシティの取り組みに積極的かどうかについて、7割近くが積極的・やや積極的と回答していたのは納得でした。一方で、消極的との回答がまだ20%もあることに主宰者の植田は注目していました(やや消極的13%、消極的7%)。取り組みに対する組合員の反応としては、わからないが40%で最も多く、取り組みの浸透には時間がかかりそうです。「働き方改革」&ダイバーシティの取り組みを労使で協力して実施しているのは60%と高く、労使協議会の議題に入れたり、プロジェクトや委員会の設置などで取り組みを進めているようです。労使協力しての「働き方改革」&ダイバーシティの取り組みについて問題、課題があると回答したのは69%でした。自由記述のなかには、会社が本当の意味での働き方改革を推進しようとしているかがわからないとの回答もありました。実際、経営層・管理職の中には「労働時間を減らしたら業績が落ちるのではないか」と思っている人がまだ一定数いると聞きます。このような企業では、組合側からの働きかけが重要になりそうです。

*グループ内での共有*

 アンケート結果や主宰者・植田のミニ講義を踏まえて、1グループ4名の中で各社の状況を紹介しあいました。ある労働組合では、もう20年以上女性の執行委員がいないため、今後いかに女性に参画してもらうかが課題といい、またある労働組合では、地域によって差があり首都圏には女性がいないとのことでした。一方で、比較的女性の執行委員が多いという労働組合に話を聞くと、若い世代の従業員が男女半々ということと、積極的に女性に組合活動の参画を促していることがわかりました。自組織がダイバーシティ型か昭和な軍隊型かという話では、昭和を引きずっているとの話で盛り上がりました。完全なピラミッド型組織ではなくなっているものの、やはり経営トップの意向をうかがいながら仕事を進めなければならないとの声もありました。また、管理職のマネジメントに関する話も出ました。国籍、性別、年代、価値観などの異なるメンバーをいかにマネジメントして成果を出すか、人を育てるか、取り組む課題が尽きないことをあらためて認識する時間になりました。

*事例発表*

UAゼンセン 流通部門 執行委員 宮島佳子さんからは、~労働組合の働き方改革は、なぜ進まないのか~、という副題をいただき、「労働組合役員の働き方の実態」、「労働組合が直面する組織構造の変化」、「ダイバーシティの必要性」という3つのテーマでお話いただきました。宮島さんは、数年間、企業労働組合の専従と産別の専従という2つの立場で活動を続けてきましたが、UAゼンセンでの運動を通じて社会を変えたいという意思のもと、昨年の秋に会社を退職し労働運動に注力することを決断致しました。

UAゼンセンは、製造産業部門、流通部門、総合サービス部門と多種多様な産業が参加する国内最大の産業別労働組合組織です。組合員の男女別割合は、男性40.4%、女性59.6%、雇用形態割合は、正社員組合員43.8%、短時間組合員56.2%と、女性の短時間組合員が多い組織ながら、労働組合は男性役員中心の軍隊型組織で、宮島さんのひげが生えそうな毎日という言葉に、参加者の方も深く共鳴してうなずいていらっしゃいました。また、 集会の場面で発せられる「かけあいコール」や「ガンバロー三唱」は、女性から見ると気恥ずかしさが感じられるものの、男性にとっては仲間意識が高まる楽しいセレモニーとなっているというお話から、古くから継承されてきた文化や風土が色濃く残っていると感じられました。

 「労働組合役員の働き方の実態」としては、夜を徹して闘って、皆を疲れ果てさせて、最後まで粘れた人だけ交渉成立、というような交渉スタイルや、残業に加え休日も返上して組合活動を優先する、というような自己犠牲的精神が依然として存在しているそうです。参加者のある方のお話では、組合専従になった途端に深夜帰宅が当たり前となり、家庭崩壊の危機を感じて業務の見直しを行ったということですが、引き継ぎ、引き継ぎで継承されてきた文化的なものを急に断ち切るわけにもいかず、まだまだ問題は山積みとのことでした。このような実態から、労働組合の役員になることは大変な役割を担うことだという認識を組合員の方が持たれており、いかに次世代の役員を育成するかということが、労働組合の大きな課題となっているそうです。そのためには、文化や風土を変える意識改革として、役員の方々がご自身の働き方を見直すと共に組合員の方々と密にコミュニケーションをとることが重要であるというお話を伺い、現職の皆さんが活き活きとやりがいを持って活動するその姿こそが、次世代の育成に大きな影響を与えるのだと確信しました。

 「労働組合が直面する組織構造の変化」のなかでは、これまでの労働条件は、介護、育児、家事をケアする必要のないケアレス男性がモデルとなって作られている一方で、UAゼンセン流通部門では、現在過半数を占める女性の短時間組合員=パートタイマーの待遇、処遇の改善について積極的に進められていることがわかりました。事例としては、パートタイマーが労使協議会に参画することで、これまで無給だった慶弔休暇を有給にする制度を作り上げた例や、パートタイマーが組合活動に参加したことによって取り上げられた制服の変更例や、実務に活きるラッピング研修の実現などの例をご紹介いただきました。このような活動はパートタイマーだけでなく正社員にも良い影響を与え、現場の生の声が反映されることで、定着率や生産性の向上に繋がっているとのことでした。

 「ダイバーシティの必要性」では、UAゼンセンにおける男女共同参画社会実現の3本柱として、職場における男女平等の推進、ワーク・ライフ・バランスの実現、労働組合における男女共同参画の推進をご紹介いただきました。男女を問わず誰もがいきいきと働くことができる職場作りとは、それぞれが力を発揮し公正に評価される職場の実現や、子育て期、中高年期といった人生の各段階に応じて多様な生き方を選択できる職場の実現となります。その実現のためにこそ、組合員の声の代表として労働組合がありますが、現在の男性中心の組合では女性の声が届かず、だからこそ労働組合における男女共同参画が必要不可欠であるとのことでした。行動計画を作成するにあたっては、自組織の特徴をとらえ、トップの意思表明に意思が反映されているか、拾うべき声を拾い「質」を充実させる内容になっているかに留意し、計画を作っただけで終わらぬようしっかり確認して行動する仕組み作りの必要性が強調されました。

 最後に宮島さん自身が労働組合役員として心がけていることとして「軸を持つ、遠慮しない、おかしいものはおかしいと言う」というスタンス、女性目線で仕事してと言われた時には、 女性ならではの気づきや「感性」と人を見守り育てる「母性」と受け止めること 、自分だけでやろうとせず「周りを巻き込む働きかけ」の必要性をお話しいただきました。全体を通じて、男性、女性、雇用形態に関わらず、全ての人々が活躍できる社会を作りたいという宮島さんの熱い思いが伝わる発表でした。

宮島さま、どうもありがとうございました。

 次回の研究会は、第4回「ダイバーシティ組織をリードするワーキングマザーから学ぶ『働き方改革』」と題して、2017912日(火)に開催致します。皆様の参加をお待ちしておりますので、引き続きどうぞよろしくお願い致します。

文責:株式会社日経BPマーケティング 神田絵梨、キャリアコンサルタント 山岡正子

ファシリテーター
植田寿乃
植田寿乃
キャリアコンサルタント・ダイバシティコンサルタント
有限会社キュー 代表取締役
関連セミナー&講演情報
●2018年12月10日(月)
企業成長に欠かせない
社員の「働きがい」と「エンゲージメント」を高める方法
〜働き方改革&ダイバーシティ戦略の成功ポイント〜
(講師:植田寿乃、臼井淑子、山岡正子)
会場:御茶ノ水カンファレンスセンター(東京都千代田区/JR御茶ノ水駅聖橋口から徒歩1分) 対象:経営者・管理職・人事総務・人材開発担当者

●2019年2月1日(金)
50歳からの幸せなキャリアの見つけ方
~50代シニア世代のモチベーション活性化のために!~
(講師:植田寿乃)
会場:東京駅近隣会議室 対象:50歳代の方(48歳以上 )、人事・人材開発部門の方

●2019年2月21日(木)22日(金)
「女性リーダーのためのエンカレッジ(応援)研修」
~活き活きと活躍することを目指した、気づきとネットワークの獲得~
(講師:植田寿乃)
会場:NOMA 関西本部 専用教室(大阪科学技術センタービル内) 対象:女性管理職及びその候補者、中堅リーダークラスの方々など

●2019年2月27日(水)
植田道場主催
『女性リーダーエンカレッジ(応援)セミナー』
~自然体の活き活きリーダーを目指して~ (講師:臼井淑子)
会場:東京駅近隣会議室 対象:女性リーダー、リーダー候補の方

●2019年 5月10日(金)
『40代後半から50代に向けたキャリア・ブレイクスルー(現状打破&形成支援)研修』
~キャリアの節目をしっかり潜り抜け、自分の未来を拓くために~ (講師:山岡正子)
会場:東京駅近隣会議室 対象:組織にお勤めの40代後半~50代の方、人事・人材開発担当の方