PHOTO
活性化して成長&発展し続ける企業になるために取り組むべきことは根底で全て繋がっています。 ダイバーシティ推進、女性活躍推進、働き方改革、イクメン推奨、イクボス教育、シニアのモチベーション向上、多角的な切り口で、参加企業メンバーが互いの実体験、課題を共有しさらなる取り組みの方向性を見出すことと、企業を超えて、信頼で結ばれたネットワークの構築を目指す研究会です。

2020年7月13日(月)開催【第2回】オンライン研究会レポート

2020年7月13日(月)
第2回「在宅ワーク、リモートワークで必須のオンライン・コミュニケーションのポイント」

今回のオンライン研究会では、「オンラインミーティング、研修を行うための準備、参加者のITスキルフォローの重要性」、「オンライン・コミュニケーション活用のポイント(ツール比較、映像配信の設備等)」を踏まえて、運営メンバーより発表させていただきました。
【1部】「主催者挨拶、アンケート分析結果報告」植田寿乃
【2部】「オンライン発信者のための4つのポイント」山岡正子
【3部】「Qスタジオ、オンライン配信機材構成」ビデオ
【4部】「オンライン発信を進化させよう!」田中慶子
参加者は、事務局あわせて32名となり、そのうち約3分の1の方々が日本各地から初参加いただけたことから、オンライン研究会ならではの広がりが感じられました。

【1部】まず初めに植田より、皆さまの企業・組織のオンライン・コミュニケーションについて、アンケート結果の共有が行われました。
 現在、オンラインでの会議を行っているか、という質問については、すべての企業が行っている(「行っている」90%、「少し行っている」10%)ことが分かりました。研修については、集合型研修について60%の企業が「延期、中止している」一方、オンライン研修については、80%が、「行っている」もしくは「予定している」との回答が得られました。オンラインミーティングのツールは、Microsoft Teamsが35%、Zoomが35%と同割合でしたが、社内の打合せはTeams、社外との打ち合わせや研修はZoomと使い分けているとの声もいくつか聞かれました。在宅勤務用の個人PCに関しては、60%が「ある」と回答していますが、接続料については、会社から援助ありが30%、個人の負担としているところが70%を占めました。
 オンライン・コミュニケーションに関して社内で問題や課題がありますか?については、「ある」、「少しある」で90%を占め、その内容としては
・オンライン・コミュニケーションに慣れていない
・個人的にはないと思っているが、オンラインが苦手な人や ちょっとした事を聞くには聞きづらいという問題などはあるのかもしれない
・働き方改革で導入したオンライン・コミュニケーションツールを使いこなせていない人が多数いる
・使える人、使えない人がマネジメント層にいるかいないかで、大きな差が生まれている。
との声が聞かれました。
自分自身のオンライン・コミュニケーションにおける悩みがありますか?については
・慣れていない。楽しくコミュニケーション出来ない。
・通信量の関係から画面オフが基本となっており、お互いの表情が読めず、音声に頼ったコミュニケーションの難しさを感じています。
等のお答えが聞かれました。

【2部】私からは、オンラインミーティングに苦手意識を感じている方々に一歩踏み出していただきたいという想いのもと、「オンライン発信者のための4つのポインント」をお話し致しました。4つのポイントは「環境」「ハードウェア」「ソフトウェア」「ヒューマンリソース」となります。コロナ禍で突如始まった在宅勤務、いざオンラインミーティングと言われても、準備もなければ経験もない。不安と戸惑いの気持ちを払拭するためには、とにかく慣れるしかありません。苦手意識の根底にあると思われる4つのポイントとその解決の糸口をご提案することで、オンラインワールドの未来を感じ取っていただけたのではないかと思います。

【3部】第3部では、QueのIT担当者による「Qスタジオ、オンライン配信機材構成」をビデオでご紹介致しました。配信クオリティを高めるには、カメラ、照明、マイクをグレードアップしAVスイッチャーでプレゼンテーション資料と自分の映像を合成する手法が効果的であるとの事でした。予算に合わせたいくつかの組み合わせ例を説明いただきました。また、現在のスマホには高性能のカメラが搭載されていることから、未使用のスマホをカメラ替わりに使うご提案もいただきました。Qスタジオと同等のクオリティを実現するには投資が必要ですが、ご興味のある方は、ぜひオンライン研究会で高品質は映像配信をご体感ください。

【4部】田中さんからは、“「オンライン発信を進化させよう!」~脱・画面共有、 Picture in Picture ~”をテーマに、OBS studioという無料のオンライン発信ツールが紹介されました。withコロナの状況下、社内研修やプロジェクト報告など、今後益々オンラインで開催されることが予想されます。Zoomの画面共有では資料表示がメインで、発表者の表情や思いが伝わりにくくなってしまう課題があります。ご紹介いただいたOBSstudioというソフトを使うとPicture in Pictureが実現でき、資料も発表者も効果的に見せることができることがわかりました。『習いながら慣れる』、参加された方々からも、試して、練習して、どんどん発信してみたいという意欲が感じられました。

グループディスカッションでは、各社のオンライン会議、研修等、会社が抱える課題などが話されました。緊急事態宣言が解除された後は、在宅勤務がコロナ前よりも進んだ会社もあれば、週1回、週2回、現在ではすべて出勤という会社もありました。在宅勤務の打ち合わせでは、セキュリティ上、画像が禁止されていて音声のみの打ち合わせとなっている組織の方もいて、顔が見えなくて声だけだと真意が伝わらない等、オンライン導入状況によって課題は様々でした。
・外部の研修はほとんどzoomだが、セキュリティの問題で、導入できない。
・オンライン研修を既に導入している会社は、受講者が新人や若手であれば違和感なく実施できるが、40代半ば以降の年代では、堅い感じになるので年代によって、アイスブレイクの必要があると感じている。
・人が集まる会場での説明会では、開始時間になったら、「それでは説明会を始めます」と、いきなり本題に入っていたが、オンラインで実施する場合は、ひとりひとりの名前を呼んで声掛けする視点が大事だと気付かされて、大変参考になった。
・ZOOMの画面共有と比較して、OBSは、顔の表情、身振り手振りがとても伝わることが実感できたので、例えば、入社式等社長の顔が大きく見えるように、OBSを導入するのもありかと思う

皆さん、それぞれの立場で今後のオンラインコミュニケーションで活かせそうな場面に思いをめぐらせていらっしゃいました。

<次回のオンライン研究会のお知らせ>
【第3回オンライン研究会】2020年8月19日(水)
オンラインへシフトへするための管理職のマネージメント&リーダシップ
~求められるITリテラシー、リモートでの信頼関係の構築~
事例発表: パナソニック エイジフリー株式会社 小松 多惠子氏

皆様のご参加を心よりお待ち申し上げています。引き続き、どうぞよろしくお願い致します。
(文責:キャリアコンサルタント 臼井淑子、キャリコンサルタント 山岡正子)

2020年6月15日(月)開催【第1回】オンライン研究会レポート

2020年6月15日(月)
第1回「コロナウィルス禍で加速する働き方、ダイバーシィ推進」
 新型コロナウィルス感染拡大の影響は日々変化しており、まだまだ予断を許さない状況が続いております。このような状況を踏まえ、本研究会の新たな取り組みとして、Zoomミーティングによるオンライン研究会を発足致しました。
 本研究会ではQueスタジオをメイン会場ととし、事務局は自宅をサテライトオフィスと位置づけ運営管理を行っております。また、画面操作に戸惑うことなく研究会に集中できるよう、初回参加者の方には開始10分前にお集まりいただき、Zoom事前ガイダンスを受けていただくこととしております。
 今回の参加者は全国各地からお集まりいただいた37名の方々となり、各登壇者の発表後には、オンライン上で4人~5人の部屋に分かれ、活発な情報共有や意見交換が行われました。

【1部】「主催者挨拶、アンケートの分析結果報告」植田寿乃
【2部】「Withコロナで気づいたこと、大事にすること」昌宅由美子
【3部】「~コロナショックを乗り越える~アフターコロナ時代を幸せに生き抜くために」臼井淑子

 【1部】主催者の植田からは、本研究会のコンセプトとして「令和時代のSDGsを目指す組織と個人の在り方を研究する」が掲げられ、オンライン時代だからこそ加速するダイバーシティと働き方改革に、どう取り組むべきかを皆で研究する場にしたいと本研究会発足の主旨が発表されました。
 アンケートではコロナウィルス禍での変化についてお伺い致しました。コロナウィルス禍による会社への影響は大きく、「原則全員在宅勤務」「工場の非稼働」「売り上げ&利益減少」など、84%の方から「非常に大きい」「大きい」と回答がありました。3月以降の在宅ワークの状況は、約40%の企業が60%以上を実現したというのが実情でした。コロナウィルス禍での働き方改革の施策は、「在宅勤務」「テレワーク」「WEB会議」「無駄な会議と接待の減少」などが挙げられ、「やや感じている」を含めると約80%の方が加速を体感しているとのことでした。コロナウィルス禍での社員のモチベーションに関する問いでは「通勤時間がなくなり、無駄な業務が減り生産性が上がった」など上がった方が12%、変わらない方が15%、「とカスハラでの接客疲れ」「一人暮らし孤立感」「会社の初期対応に不信感」などで下がった方が42%との回答となりました。
 
 【2部】昌宅さんからは、「Withコロナで気づいたこと、大事にすること」のテーマで3月から始まった会社でのコロナ対策からの気づきをお話しいただきました。3月に入ってからは時差出勤となり、公共交通機関を使っている人がすべて実施。不要不急の出張は禁止となり、緊急事態宣言が出てからは、自宅待機、在宅勤務で出勤率8割減となるよう対策が講じられたそうです。在宅勤務はオフィスにいるときと違って、メンバーの状況は見えないので、家庭の環境がどんな状態なのか思いを馳せること、介護、育児、家族が病気など、様々な状況で仕事をしているメンバーがいることを、お互いに知り合うことが大切だと実感されたとのことでした。
なぜテレワークをするのかを考えたときに、育児や介護だけでない、働く人誰もが選択できる「多様な働き方ができる」ことが本来の姿だと思うのですが、実際の企業でのテレワーク普及率をみると導入予定も含め3割弱、その内、利用している人はわずか5%ということは、限定的な使われ方であることが一目瞭然です。
昌宅さんからは、テレワークを考える際に、①在宅勤務と出社の両輪②モバイルワーク③サテライトオフィスの在り方の3本建てで考えることが今後の課題になっていることから、今回のコロナ対策で実際に行ったテレワークの課題を含めて、今後の働き方についてディスカッションする場をいただきました。

 【3部】臼井さんからは、「~コロナショックを乗り越える~アフターコロナ時代を幸せに生き抜くために」と題して発表がありました。最初に、“コロナで変わったこと”、“私にとってのコロナ”ということで、臼井さんのコロナウィルス禍における体験についての共有があり、日常生活や仕事における変化、休校中のお子さんの様子についての話がありました。
臼井さんは、このコロナウィルス禍において、最初は仕事がキャンセルになるなどして絶望感を味わったそうですが、そこで立ち止まったおかげで、これまでの生き方、働き方を見直し、これからどうしていきたいかが明確になったそうです。
最後に“アフターコロナの幸せな働く人生の考え方”ということで、これからの時代はますます不確実性が高まることから、自分軸をもつことが非常に重要であるということが話されました。発表後は、「みなさんにとってのwithコロナとは」、というテーマでグループ共有が行われました。

 グループディスカッションでは、管理・スタッフ部門ほぼ全が員在宅勤務可能だったが、営業や技術、工事部門、工場など他部門は部署によって在宅在宅できない部署があり、現場からは不公平だという不満も上がっていたというお話しがありました。今後2波、3波の影響や、もし社員が感染し、クラスター感染になった場合どうすればいいのかなど、たくさんの課題も伺えました。いくつか抜粋してご紹介致します。

・在宅勤務がどう評価されているのか気になる。
・在宅勤務時におけるマネージャ向け評価研修を実施しているが、実際の評価はマネージャに丸投げ状態で、研修の成果が反映されているかは把握できていない。
・オンライン研修はコミュニケーション、信頼関係構築の面で難しいと感じる。
・テレワークが当たり前に聞こえる世の中になってきた。自分の会社は出社の方向に戻りそうだ。
・テレワークというものに対して役員が腑に落ちていない。営業はお客さんと会ってなんぼ。コロナが終わったら会社に出てくるのが当たり前、と思っている。
・本社では7割が在宅勤務で、上司に今日やることやったことを報告している。Googleカレンダーを使ってスケジュールを共有している。ママさんの中には子どもが寝てから仕事する人も居て、サービス残業になっている。
・朝メール、夜メールをやっていて、朝に今日やることを連絡し、夕方にその経過を報告させている。30分単位で報告するようにしようとしたが、反対にあってそれは見送った。

 新入社員教育と中高年のITスキルについては、互いに共感できる内容が多く、話足りないといった雰囲気が感じられました。新入社員研修は、緊急事態宣言前は「リアル研修」で実施し、緊急事態宣言後は「在宅勤務」での研修に移行した会社がほとんどだったようです。「在宅勤務」への移行は事務局が思っていたよりスムーズに行われ、新入社員のリモートへの対応の速さが話題となっていました。新入社員同士のコミュニケーションがとれているかとの懸念もあったそうですが、チャットやグループラインを自分達で作って連絡を取りあうなど、全く心配なかったそうです。他にも「新規事業部からの要請で新入社員のまっさらな状態での意見やアイデアを聞きたいとの要望があり会社にも貢献してくれていた。そのことで会社への愛着もでてきたようだ。また、パワーポイント研修などもすぐに覚え、素晴らしいプレゼン資料を作成し、現場の管理職からはすぐに実践で使えるレベルだと高い評価を得た。」との事例共有もありました。
 一方、中高年層は課題が多く、在宅勤務中のコミュニケーションが取りにくいと感じた企業の方もいらっしゃいました。「レスポンスが遅くて困った」「Zoomミーティングをお願いしてもわざわざ会社に出てきて会議室からZoom会議に参加する人がいる」など、「時代の変化に適応できていない」との意見もありました。在宅勤務や働き方改革が進もうとしているのに、すくに元に戻ると信じている経営層、管理職も多いとうお話しから、大事なことはWithコロナ期間中に歩みを止めないこと、今こそダイバーシティや働き方改革の推進が重要だと実感しました。
閉会時間まで皆さんのお話は尽きず、最後まで盛り上がりを見せた研究会となりました。

★第2回 オンライン研究会のお知らせ
2020年7月13日(月)開催
在宅ワーク、リモートワークで必須のオンライン・コミュニケーションのポイント
・オンラインミーティング、研修を行うための準備、参加者のITスキルフォローの重要性
・オンラインコミュニケーション活用のポイント(ツール比較、映像配信の設備等)

皆様とオンラインでお会いできることを楽しみにしております。引き続き、どうぞよろしくお願い致します。
(文責:キャリアコンサルタント 山岡正子)

2019年12月12日(木)開催 【第12回】ダイバーシティ&インクルージョン研究会レポート

2019年12月12日(木)
第12回「現場リーダーの実体験から語るヒューマンスキル研修の重要性」
第12回目の研究会は、事例ゲストにコープデリ生活協同組合連合会 人材開発部 教育研修課 課長 安保美輝(あんぼよしき)様を迎え、人材育成の取り組み事例をお話しいただき、18名の皆様と活発な意見交換を実施致しました。

【第1部】主催者 植田によるアンケートの分析結果報告
【第2部】「現場リーダーの実体験から語るヒューマンスキル研修の重要性」

【第1部】主催者 植田によるアンケートの分析結果報告(回答数:16社)
 アンケートでは、管理職に対するヒューマンスキル研修の実情についてお伺いしました。
 経営陣(社長・取締役・執行役員)のモチベーションについては、高い(60%)&昭和企業戦士度・昭和軍隊度も高い(50%)という結果となり、“昭和の成功体験を引きずっているように見受けられる”、“武勇伝のある者がトップリーダーであった時代を生きている”、などのコメントがありました。50代の管理署は増えている(37%)傾向があり、役職定年の流れがあるものの、全社員に対する50代の割合が高く、若手社員が減少&育っていないことが要因になっているとのことでした。その会社を動かす中心にいる50代管理職の昭和軍隊度は高いと回答した方が75%となり、“50代管理職は、育児短時間勤務等に理解がない”、“固定観念が強く、柔軟性に乏しい”、“双方向の面談が下手。一方的に話して相手が黙っていると合意したと勘違いする”など、価値観の違いやコミュニケーションのすれ違いが挙げられました。
 30代の管理職は約60%の企業から増えているという回答があり、イクボス度が37%あるものの、約10%の方からは昭和軍隊度が高いという回答もあり“昭和軍隊度の高い上司に染まっている”と感じられていました。
 20代~30代のモチベーションはやや低い(37%)、個人差あり(38%)、“会社に入ったときに元気だった社員がどんどんおとなしくなる”、“入社3年目ぐらいからモチベーションが下がってくる”という傾向が見受けられました。20代~30代のワーキングマザー&イクメン度は50%、男女ともに子育てしながら働くことが当然の時代となりつつあります。そんな中、20代~30代でストレスによる体調不良やメンタル不調で休職したり退職する方については、約70%の企業が“いる”、“ややいる”を選択。“管理職に多い、男性に多い”、“雰囲気の悪い職場にいるだけで、自分が怒鳴られることが無くても病んでしまう”など、組織風土の影響が大きいと感じられました。
 現在の管理職の状態には94%の方が、課題があると感じられていて、管理職に対するヒューマンスキル研修が必要だと回答した方も94%となりました。“自分で仕事を抱えて部下に教えない。クレーム等は部下に押し付ける”、“忖度文化が根強く残る部門もある。裁量権が侵食されている。管理職がイキイキ、伸び伸びしていない”、“管理職の人間力が無さすぎる、個人志向の方が多すぎる”、“人間力リーダーに求められる考えや行動を習っていないので、自己流でマネジメント”、“育成のマインド醸成が必要である”など、多数のコメントが寄せられました。今、組織に求められるリーダー像が大きく変わっているからこそ、「自分も他人も活き活きさせられる」人間力リーダーの育成が急務であると確信致しました。

【第2部】「現場リーダーの実体験から語るヒューマンスキル研修の重要性」
 今回はコープデリ生活協同組合連合会(東日本の1都7県にまたがるco-opグループ)より人材開発部 教育研修課課長の安保 美輝(あんぼ よしき)さんをお招きし、「現場リーダーの実体験が語るヒューマンスキル研修の重要性」をテーマにco-opデリグループの人材育成の取り組み事例をお話しいただきました。
 安保さんは大学卒業後、さいたまコープ(現コープみらい=日本最大の生活協同組合!)に入職されました。生活協同組合のメイン業務である宅配部門に配属となり、商品を届ける際に組合員の方々とコミュニケーションをとる中で、様々な気づきがあったといいます。仕事に邁進する中で、単に商品を配達するだけではなく組合員の方々の生活に密着した存在として、「人と人とのつながり」が大事だという思いを持ち、安保さん自身もそれを大事にしてこられました。
 その後、リーダーに昇格するなど、順調にステップアップされるのですが、その中で2つの大きなできごとがあったといいます。それは、安保さんにとってその後の「人材開発に携わる意義」を決定づけるものでした。1つ目は30代でリーダーに昇格したときの苦い体験です。そのころの安保さんは、若手を叱咤激励しながら成果を求めていたのですが、なかなかうまくいかず、指導に苦慮されたといいます。その中で悩みが生まれ、自分のマネジメントスタイルは間違っているのではないか?とい考えるようになったのですが、その時は、何をどうすればいいのかはモヤモヤとした状態でした。
 そして2つ目は、社内研修として、本研究会の主催ファシリテーターである植田寿乃氏の「モチベーション・リーダーシップ2日間コース」を受講したことでした。この研修を通じて、「モヤモヤ」とした思いがクリアになると同時に、「なぜこの研修をもっと早く受けられなかったんだ!」と悔しい思いをしたといいます。
 その後、安保さんは縁あってコープデリ連合会に出向することになり、そこで人材開発の仕事に携わることになりました。そこで「モチベーション・リーダーシップ」などのヒューマンスキル研修を数多く実施される中で、研修受講後のアンケートがだんだん変化してきたといいます。昔は「自分の上司に受けさせたい(=上司が変わらないと何も変わらない、という他責?)」という意見が多かったようですが、最近は「自分の部下や周囲のメンバーに受けさせたい」というように、いい研修をみんなに薦めたい!というような風土が醸成されてきたようです。
そして、これまで安保さんが「ヒューマンスキル研修」を実施していく中で、以下の3つの大きな効果(良い変化)があったといいます。
  1、多様化する個人の価値観を受け入れられる
  2、組合員を取り巻く社会環境の変化に対応できる
  3、組織で働く職員全員がイキイキと活躍できる
これらはスキルやテクニックではなく、一人一人のヒューマンスキル・人間力の向上であり、多様な人と出会い、語り合うことで磨かれていくものです。そのための場として、ヒューマンスキル研修が非常に重要であるといえます。
また、最後のスライドで安保さんが「人材育成に携わることとは」というタイトルで示された、4つの言葉をご紹介いたします。
1、受容と承認 (人と関わる際の一丁目一番地!)
2、個人が成長を実感できる
3、組織が成長し続けることができる
4、
以上です。
4については、発表時のスライドでもブランクになっていました。その心は、「皆さんでもぜひ考えてほしい」というものです。ぜひ皆さんも、ご自身にとっての「人材開発に携わることとは?」を振り返っていただければ幸いです。
 その後の質疑応答では、「ヒューマンスキル研修を、失敗体験をする前にどう学べばよいのでしょうか」という質問がありました。これに対して、「失敗経験を経て、立ち上がって前に進むためにも、ヒューマンスキルを磨いておくことが重要です」というお話があり、激変する環境の中で、失敗を恐れて前に進まないのではなく、トライしながら、失敗しても立ち上がることができる力を持つためにも、ヒューマンスキルが重要であるといいます。
 植田先生からの補足としてヒューマンスキル研修を担当する講師は、「失敗経験から立ち上がった回数」が豊富な講師が適任である、というお話がありました。そうでないと、受講者の心に寄り添う研修ができず、心からの気づきが生まれにくいからです。
 その後安保さんにも参加者の輪に入っていただき、参加者同士の対話に花が咲きました。安保さんは発表のときから終始笑顔で、かつユニークなタッチでお話をされていました。その人柄に引き込まれ、会場も暖かい雰囲気のまま、研究会を進めることができました。安保さん、ありがとうございました。
文責:キャリアコンサルタント 山岡正子、一般社団法人日本経営協会 山中啓太