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活性化して成長&発展し続ける企業になるために取り組むべきことは根底で全て繋がっています。 ダイバーシティ推進、女性活躍推進、働き方改革、イクメン推奨、イクボス教育、シニアのモチベーション向上、多角的な切り口で、参加企業メンバーが互いの実体験、課題を共有しさらなる取り組みの方向性を見出すことと、企業を超えて、信頼で結ばれたネットワークの構築を目指す研究会です。

2018年11月30日(金)開催 【第9回】ダイバーシティ&インクルージョン研究会レポート

2018年11月30日(金)
第9回「ダイバーシティ推進の最先端企業から学ぶ」
~初代委員長&現執行役員の後藤綾子氏が語る「カルビー的ダイバーシティ推進のススメ」

第9回目となるダイバーシティ&インクルージョン研究会は、ゲストとしてカルビー株式会社 執行役員北海道事業本部長 後藤綾子氏にご登壇いただき、24名の皆様と共に活発な意見交換が行われました。
【第1部】主宰者 植田による事前アンケートの分析結果報告
【第2部】「ダイバーシティ推進の最先端企業から学ぶ」
~初代委員長&現執行役員の後藤綾子氏が語る「カルビー的ダイバーシティ推進のススメ」

【第1部】 主宰者 植田による事前アンケートの分析結果報告(回答数:14社)

アンケートでは、各社における女性活躍推進・ダイバーシティ推進の現状についてお伺いしました。女活躍推進法が2016年に施行されましたが、それ以前から取り組んでいる企業が58%、ここ3年以内に取り組みを始めた企業が28%となり、実際に進んだ14%、少し進んだ72%を合わせると86%の方々が変化を実感しています。具体的には、“管理職(昇格)を目指す人材も出てきた”、“女性管理職が増えた”、“女性の基幹職の倍増”など。ワーキングマザーの管理職については、増えた7%、少し増えた40%という回答から、結婚、出産、子育てをしながら活躍する女性が増えつつある現状がわかりました。一方、女性の取締役、執行役員の状況は変わらないとの回答が79%で、そもそもいないという意見が大半を占めていました。60歳以上のシニア雇用は増えた43%、少し増えた36%と79%の企業か増加状況でシニア層を対象としたキャリア研修も実施され始めています。
組織風土については、オールドキャリア(昭和)からダイバーシティ(平成)に変化しつつあるとの回答が79%あり、“能力の高い社員の昇格スピードアップ”、“社内で最での管理職昇格が増加”とのコメントがありました。しかしながら、“昭和的管理職昇格なリーダーシップから抜け出せない”、“昭和体質を変えないことを誇りに思っている”などのコメントもあり個人による意識のバラつきが感じられました。
回答者ご自身に対する質問として「女性活躍推進・ダイバーシティ推進の担当となった期間」と「充実度・満足度」をお伺いしました。期間については、1年以内が22%、2~3年が43%、3年を超える14%、充実度・満足度については、かなりある22%、ややある50%、となりました。1年目で何をやればいいのか試行錯誤し、2~3年目で施策を実行した課題が見えてくる様子がわかりました。“担当する本人がどのような気持ちで取り組んでいるのか、それが一番大切”という植田のコメントに、一同深くうなずく場面となりました。

【第2部】「ダイバーシティ推進の最先端企業から学ぶ」
~初代委員長&現執行役員の後藤綾子氏が語る「カルビー的ダイバーシティ推進のススメ」

今回は講演ゲストとして、カルビー株式会社 執行役員北海道事業本部長 後藤綾子さんにご登壇いただき、ダイバーシティの取り組みを推進されてきた後藤さん御自身の体験を中心にお話し頂きました。ダイバーシティを牽引されてきた過程での抵抗壁を、ある時は強く跳ね返し、ある時は抵抗が強い方々の気持ちに寄り添いながら、進むべき道をぶれずにリードされてきました。
 本題に入る前に、まずカルビー株式会社のコーポレートメッセージ「掘りだそう、自然の力。」と社名の語源「カルシウム+ビタミンB₁」から「カル+B」⇒「カルビー」を紹介下さいました。後藤さんは入社から7年間は営業部署配属、その後の秘書時代は、スケジュール調整などの秘書業務を行いながら、社長のそばにいるからこそ、社長のメッセージを社員に直接伝えたいという想いのもと、CEOメッセージを工夫しながら周知されたというお話を伺いました。また、「Calbee Innovative Field イノベーションを生みだすフィールド=土が良ければ作物は良く育つ。⇒畑の土としてのオフィス、オフィスが良ければ従業員もよく育つ。」他、多くのメッセージを紹介頂くにつれて、私達が知っているカルビーの味わいを思い起こさせて頂きました。更に、「感じ取る[種]⇒混ざり合う[芽]⇒結びつく[花]⇒生みだす[実]。」「掘りだそう、多様性。育てよう私と、Calbee。」等々、同社の社内啓蒙に使用する言葉一つひとつが、幾度もの転機の中で引き継がれていく、後藤さん自身の信念にも繋がっていらっしゃるのではと感じ入りました。
第1の転機:2009年、オフィス改革プロジェクトでは、会長からの「綺麗なオフィスにしてね」の期待に沿うべく、2010年の本社移転に伴い固定机を持たずに仕事をするフリーアドレス制を導入されました。出社時にパソコン上のダーツで席を決め、午後は再び席替えするなど、同社の施策は日経ウーマン他、多くのメディアでも好感度高く紹介されてきました。メリットとして、他部署や役員とのコミュニケーションが活発になる、ペーパーレスや働き方改革の推進に繋がるなどの他、「月1回30分の一斉清掃」の取り組みもご紹介いただきました。フリーアドレスが定着した直近の風景、ということで最近の社内の様子を見せていただきましたが、清潔感あるオフィスの写真には社員一人ひとりの意識の深度が表れていました。
第2の転機:2010年にはダイバーシティ推進委員長として、さらなる牽引力と説得力が発揮されました。2010年はカルビーのダイバーシティ元年。同年4月に全国のグループ会社を横断する15名(女性12名、男性3名)にて委員活動が開始されました。イベント部会、アンケート部会、ハンドブック部会などを通じて社内浸透を図られました。2011年2月には「2017年のダイバーシティが進んだカルビー社を想像(夢を描いてみる)してみよう」をテーマにダイバーシティ委員合宿を実施。6年後の自分の会社を創造力豊かに描き、例えば、“女性の工場長がいる”、“時短勤務者が活躍している”、“多様な働き方を実践している”、“これまでにいないタイプの社員を採用している”、“日本食文化を海外へ輸出している”、“海外で有名なメディアにもカルビーのダイバーシティはすごい!と紹介されている”など。ここで挙げられたいくつかの夢が数年後に実現していることから、夢を描く、ビジョンを共有することの大切さを改めて感じました
女性管理職比率UPについては、ダイバーシティ推進の通過点のひとつ、それすら実行できない会社に素敵な未来は有り得ない。だからこそ、まずは「女性の活躍」を中心に推進する必要性がある、ということを改めて伝えていただきました。ダイバーシティ系セミナーの成功の秘訣も教示下さり、セミナータイトル例としては「明日へつなげる自分のチカラ発見!」講座、AGN(アネゴネットワーク)女性管理職のネットワークなど、少しでも申込みしやすい名称となるように工夫されたそうです。さらに、ダイバーシティ新聞、手作り掲示板、キャッチコピーの三角POPを食堂に置くなど、地道な草の根活動も続けてこられました。ダイバーシティ推進に掛かる費用はコストで無く投資であり、「ライフ」も「ワーク」も“やめられない、とまらない”と、カルビー社らしいメッセージと共に、ダイバーシティは総力戦であること強くメッセージされていました。一人ひとりが持つ多様な能力を120%のチカラとして発揮し、ダイバーシティ推進を加速していく意思は、次の委員長へと伝達されていかれています。直近では2018年11月9日に「Power of Difference 仕事に効く!ダイバーシティ」をテーマに京都でダイバーシティフォーラムが開催されました。
第3の転機:2014年コーポレートコミュニケーション本部長に就任された際に実施した、お客様相談室での取り組みが印象に残りました。企業のさらなる発展のためには、お客様の生の声を知ることが大切、という想いのもと、相談室での対応場面に役員、経営者層の方々が2時間モニタリングをするという施策を実施されました。時に厳しいお叱りの声もありますが、相談室にはご指摘だけでなく応援のメッセージもたくさん届きます。一人ひとりの声に真摯に向き合う姿勢こそが、お客様から支援される理由のひとつだと確信しました。
2017年4月からは執行役員北海道事業本部長に就任、時を同じくしてジャガイモ不足によりポテトチップス商品を休売した“ポテチショック”。カルビー株式会社は、このクライシス(危機)を自社内の課題に留まらせず、地方創生と結び付け戦略的に社外発信を行いました。この取り組みは、「本業に限らず、ダイバーシティや女性活躍といった全企業共通のテーマに対しても高い先見性を社会に提示しリードしている」と高く評価され、2018年9月に企業広報大賞を受賞されたそうです。
北海道事業本部長としての後藤さんのご活躍には、本社とのコネクションや社内力、社外ネットワーク力などの強みが発揮されていらっしゃるようで、その姿を周囲の方に惜しみなく見せることが後進の育成につながっていると感じられました。立ち止まらずに挑み続ける姿勢が肝心、経営者層を巻き込むコツ、何より重要なのは、「ダイバーシティ活動に情熱を持った人が続けていかないと緩む!」と今日この場にいる参加者達も後藤さんの熱意に強く引き込まれていきました。
終盤は質疑応答となり、参加者から「メンター制度」について質問を受け、「いろいろ試してみることが大切。意外だったのは仕事の仕方は男性役員に聞きたいニーズがあり、女性だからメンターは女性が適任とは限らない。」と回答。また、社員の気持ちに響かせる工夫として、「ダイバーシティ推進委員会にはダイバーシティ推進を賛同している人達だけでなく、否定的な人も含めることで、抵抗感ある方々へのアプローチ方法を工夫できる。『現場が主役』で進んできた。」と力強いメッセージで締められました。
なでしこ銘柄5年連続選定、女性が輝く先進企業表彰「内閣総理大臣表彰」、JAPAN WOMAN AWARD2016、女性活躍推進法に基づく優良企業に認定、など数々のタイトルを受賞されてきたカルビー株式会社。ダイバーシティの礎を築いていらした後藤さんは、2019年4月より、執行役員セールス&マーケティングカンパニー東日本営業本部長に就任されるとのことです。これからも更に御活躍されますことを応援させていただきます。ありがとうございました。
文責:キャリアコンサルタント 長島裕子、キャリアコンサルタント 山岡正子

【第9回】ダイバーシティ&インクルージョン研究会

20181130日(金)

「ダイバーシティ推進の最先端企業から学ぶ」

~初代委員長&現執行役員の後藤綾子氏が語る「カルビー的ダイバーシティ推進のススメ」~

<<講演ゲスト>>
カルビー株式会社 執行役員北海道事業本部長 後藤綾子氏


参加ご希望の方は、下記アンケートにご協力くださいませ。

<<開催概要>>
【日 程】2018年11月30日(金)
【時 間】13:30~16:30(13:15開場)
【定 員】30名(原則1社につき2名まで)
     3名以上で参加をご希望の場合はご相談ください
【参加費】研究会登録法人メンバー … 4,000円
     初参加(法人未登録)の方 … 5,000円
     (いずれも、領収書を発行致します)
【会 場】ハロー貸会議室八重洲ファーストビル4F(東京駅八重洲中央口徒歩2分)
          東京都中央区日本橋3-4-12 八重洲ファーストビル
          
会場は「東京駅八重洲中央口から徒歩2分の会議室」となります。
遠方からもご来場しやすい会場となりますので、ぜひ参加ご検討くださいませ。

<<懇親会>>

【時 間】17:00~19:00 or 19:30
【場 所】東京駅近辺のレストランへ移動
【費 用】4,000円~4,500円
     (レストラン名にて領収書を発行致します)

*定員に達し次第締め切りとなりますので、お早めにお申し込みください。
*懇親会会場は参加人数により変動するため、当日のご案内となりますが上記金額内で設定させていただきます。
*会場手配の都合上、ご都合により欠席される場合は、研究会、懇親会ともに2日前までにお知らせください。
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■ダイバーシティ&インクルージョン研究会■
担当:山岡、神田、植田
〒107-6028港区港南2-15-1
品川インターシティA棟28階
有限会社キュー
ダイバーシティ&インクルージョン研究会研究会事務局
事務局アドレス:diwo@que.co.jp
研究会URL:http://diwo.jp
TEL 03-6717-4143  FAX 03-3490-7798
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2018年8月31日(金)開催 【第8回】ダイバーシティ&インクルージョン研究会レポート

2018年8月31日(金)
第8回『働き方改革時代の新入社員の人生観、価値観と採用&教育』

第8回目は、ゲスト・事務局合わせて16名の参加となり、下記のような3部構成で開催しました。
【第1部】主宰者 植田による事前アンケートの分析結果報告
【第2部】「働き方改革時代の学生の人生観、価値観」
キャリアコンサルタント・社会保険労務士 臼井淑子氏
【第3部】「働き方改革時代の新入社員の人生観、価値観と採用&教育」
コープデリ生活協同組合連合会 人材開発部 次長 太田邦江氏

【第1部】主宰者 植田による事前アンケートの分析結果報告(回答数:15社)
 アンケートでは、ここ3年での新入社員の傾向についてお伺いしました。採用人数は、増えている、やや増えているが40%、男女比は、66%が男性の方が多い傾向ですが、ほぼ同じが27%となり、男女比が同じに近づいてきてるようです。新入社員の特徴については、“当たり前だが、根性論は通用しない”、“ワークライフバランスへの関心が高い”、“コミュニケーション下手”、“打たれ弱い人が増えている”、“女性の方がたくましさを感じる”などのコメントがあり、よりリアルな話が聴きたいと、この後の事例発表への期待が高まりました。ました。新入社員の採用に関しては、70%以上の会社が苦労していると回答しており、有望な社員は他社との争奪戦となるなど、深刻な人手不足の様子が伺えました。入社3年以内に退職する人は増えている、やや増えているが40%、新入社員に対する教育期間は1ヶ月以上3ヶ月未満が20%、3ヶ月以上が46%と、長期にわたって手厚く実施されているようです。キャリアカウンセリング等の個別フォローも54%の会社が実施しており、メンター制度を導入しているとの回答も33%ありました。新入社員の教育に関しては、70%以上の方が課題や問題があると感じていることから、今後の改善・改革が必須である考えられます。グループディスカッションでは、人材開発、採用関係、労働組合等、様々な視点から活発な意見交換が行われました。

【第2部】「働き方改革時代の学生の人生観、価値観」
 臼井さんからは、「働き方改革時代の学生の人生観、価値観」をテーマに、大学、大学院における学生の実情をお話しいただきました。2児(小学生)を育てながら続けてきた大学でのキャリアアドバイザーは7年目を迎え、現在は企業でのキャリア研修講師、社会保険労務士としてもご活躍中です。
 自己己紹介では、やりたい仕事が見えていたのに、たどり着き方がわからなかった就活の話や、大好きなビールの会社に入社したものの、やりがいに悩んだキャリアの壁、そして人と深く関わりたいという想いで人材開発業界に転身したことで、自分がやりたかった仕事がキャリアカウンセラーであると気づいたというお話を伺いました。営業マネージャーとして活躍していた人材開発業界は、残業、徹夜が当たり前なハードな職場だったそうです。臼井さんは、子育てをしながらも働き続けたいという想いが強く、復職してからは一人働き方改革を進め、時間がない中でも業績をしっかりあげてこられました。しかしながら、マタハラとも感じる処遇を受け、会社を退職して独立の道を選ぶと共に社会保険労務士の資格を取られました。大学でのキャリアアドバイザーの仕事を選んだ根底には、このようなご自身の経緯から、学生が職業選択する際の可能性を拡げてあげたいという想いがあったそうです。
 臼井さんからの“学生から、一番多い相談は何だと思いますか?”という問いかけに対し、各テーブルからは、“自分には何が向いていますか?”、“強みって何ですか?”、“何をしたら受かりますか?”、“自分が何をしたいかわからない”などの意見が出ました。実際に多いのは、“やりたいことが分からない”という相談とのことでした。自己分析が不十分であり、仕事や会社、社会のことも知らなさすぎる。また、今まで、他人に言われたこと、求められることをやってきたので、自分のやりたいこがわからないし、自分の気持ちもわからない。そもそも働きたくない、という正直な本音も見え隠れしているようです。また、やりたいことはあるのだけれど、それが仕事に結びつくとは思えなくて、仕事用のやりたいこと(大学で研究してきた成果を活かせる仕事)を見つけようとするという学生もいるそうで、そんな方には、枠を取っ払って、興味のあること、やりたいことに挑戦するよう背中を押してあげるそうです。
 学生が企業を選ぶポイントとしては、「やる気学生」と「守り学生」では大切にしている価値観が違うというお話をいただきました。「やる気学生」が大切にしている価値観は「成長」、“自分が成長できるかどうか”が基準となり、若いうちから仕事を任せてもらえるか、成長できるのであれば、ハードな働き方も受け入れられる、でも、無駄な仕事はしたくないし、成果に見合った報酬がほしい。「守り学生」が大切にしている価値観は「安心」、守り学生から問いかけられるのは、「ホワイト企業の探し方」。“仕事はそこそこ何でもいいから、安心して辛くないところで働きたい“、と守りに入る背景には、労働とは「辛いもの」という先入観があり、それは昨今の過労死、過労自殺の報道や、両親の働いている姿からの影響が大きいのではないかと思われるとのこと。「守り学生」は、決してやる気のない学生というわけではなく、“やるべきことはちゃんとやるので、自分の時間もちゃんとください。眠る時間をください。人間らしく生きたいです。”という、極端に会社や仕事に対する恐れがあるのでは?と感じられるそうです。また、「やる気学生」「守り学生」、どちらにも選ばれない企業として、「昭和の軍隊型の組織」が挙げられました。実力よりも年功序列、個人の成長よりも企業の都合、滅私奉行を強いる、長時間労働できる人を重用する。このような組織風土の企業はいずれの学生からも敬遠されてしまいます。
 参考データとして、日本生産性本部が発表している2018年度の新入社員意識調査の結果をご紹介いただきました。「第一志望の会社に入社した」方は80.6%と過去最高。「自分のキャリアプランに反する仕事を我慢して続けるのは無意味だ」と思っている方は38%で6年連続増加傾向、こちらも過去最高。さらに「残業が少なく、平日でも自分の時間を持て、趣味などに時間が使える職場」を望む方も75.9%で過去最高という数字から、臼井さんが実体験で感じていることと合致した結果だったということです。
 その他、相談を受けていて気になることとして、LGBTへの理解、内定ブルーの戸惑い、発達障害等、メンタル不調、海外留学生(言葉の壁)があり、社会全体の課題とも感じられました。
 最後に、「学生の就活に対して会社側ができること」とてして、いくつかのポイントをお話しいただきました。“★「判断材料」となる情報提供が重要”、学生はとにかく社会、会社を知らないので、働く姿がイメージできる情報があると仕事への理解が深まり、入社後のミスマッチを防ぐことにもつながります。“★内定者フォローはきめ細かく”、たとえ第一志望の会社に内定をもらったとしても、「これで人生が決まってしまう、そのあとは修整不可能なのではないか」、そんな不安な気持ちでいっぱいです。一人ひとりの気持ちに寄り添い、一人の人間の人生を引き受ける覚悟で関わってください。“★学生の本質を是非見てください”、志望動機がうまく言えなくても、ここで働きたいという強い気持ちや意欲、才能、可能性を見出してください。“★ダイバーシティ推進・働き方改革はもはやスタート地点”、制度の整備は当たり前で、時代の変化によって「働く」という定義が変わってきました。その人それぞれの基準や価値観の中で、個々が持つ「働きやすさ」が企業選びの重要なファクターではあると感じていらっしゃるとのことでした。
 発表の要所要所で参加者との意見交換の時間を取りながら進めていただき、より理解を深めることができました。ありがとうございました。

【第3部】「働き方改革時代の新入社員の人生観、価値観と採用&教育」
 コープデリ連合会の太田さんから、「働き方改革時代の新入社員の人生観、価値観と採用&教育」をテーマにお話しいただきました。最初にコープデリ連合会の歴史と共に太田さんの自己紹介をお伺いしました。コープデリ連合会は、長年にわたり合併、加入が行われ、現在1都7県7生協の連合会として、宅配、スーパーマーケット、福祉、共済・保険など暮らしに関わる事業を営んでいます。太田さん自身は1987年に新卒で入職され、数々の部署を経験したのち2003年から人事教育部教育担当となり、現在は人材開発部次長として、連合会全体の職員の教育、組織開発に携わっていらっしゃいます。
 まずは、採用の現状を伝えたいという事で、中途採用に応募される方々の本音部分をお話しいただきました。転職理由としては、“子供と一緒にいられる時間を作りたい”、“転勤がなく自宅から近い職場で働きたい”など、男性、女性に関わらず「お金や出世よりも、家族や自分を大事にしたい」という内容が増えていると実感しているそうです。その背景には、ここ数年、パート社員の採用できなくなったことから、エリア限定職の募集(通勤時間1時間以内)を始めたことがあるとのことでした。総合職より低めの収入にも関わらず、将来的にエリア限定から総合職を目指せるのであれば、今は家族との時間を大切にしたいと考える30代、40代の男性も増えているとのことで、ワークライフバランスに拘って転職活動をする方が多いという印象があるそうです。
 続いて新卒採用者の価値観や教育体制についてお話いただきました。今年度の志望動機のキーワードとして多かったのが、1.「人」、2.「地域」、3.「食」、4.「貢献」、5.「職員」となり、数年前と比較して変わってきたポイントを下記のように上げられました。“1.職員の姿を見て「働きたい」とう応募が増加”、子供の頃に見た配達のお兄さんやお姉さんの姿、インターンシップで見た働く人の姿、説明会で見た職員の方々の笑顔など、自分が見て、感じた姿を信じて応募する学生が増加、さらには、親の名前を明かさずに職員の子供が応募してくるケースも増えているとのこと。“2.10年前多かった「制度が充実しているから」は皆無”、出産・育児に関わる制度が充実していることは、どこの企業でも当たり前となったことから、制度の充実を挙げる方はいなくなったそうです。“3.「地元で、身近な、安心できるところで働きたい」は以前から多いが微増”、地域密着型の組織なので、以前から多い理由ですが、さらに増えていると感じるそうです。“4.「人とのつながり」が増加”、以前はバイヤーをやってみたい、商品開発の仕事がやりたい、品質管理の仕事をやりたい、と言う人が多かったそうですが、最近では、何をやりたいより、人とのつながりに重きを置く人が増えているそうです。しかしながら、人とのつながりを重視しているわりに、コミュニケーションの取り方がわかっていない。ということもあり、新卒採用時研修で重点を置いている項目へと続きました。
 新卒採用者の特徴として、志望動機のキーワードの1番に「人」と関わりたいと挙げているわりに、電話ができない、挨拶ができない、知らない人には興味がないなど、少人数の付き合いには慣れているが、チーム経験が少ないように感じられるそうです。新卒採用時研修では、先輩職員がサポーターとして参加する5日間の合宿研修を皮切りに、仕事の疑似体験、実務研修など約1ヶ月間にわたり手厚く実施されています。浮かないように、目立たぬように、失敗しないようにと行動しがちなだけに、今年度の重点項目の1番目には“「失敗してもいいからチャレンジすることの大切さを体感させる」しくみづくり”が掲げられていました。コミュニケーションの基本となる挨拶については、研修中に“あいさつ競争”を2回実施し、お客様はもちろん、配属先の方々とも良好な関係が築けるよう、自分から元気に挨拶できる態度を身につけていきます。
 2番目に掲げられている“一人ひとりに対応することとチームづくり”におけるサポーターの役割は大きく、“1.躾”、“2.理念の伝道師”、“3.商品を語る(理念の伝道師)”、“4.気づきを促し成長を助ける”、などの役割が任せられます。サポーター1人あたり約6人の新人を担当し、日々の成長記録シートには“昨日できなかったことが、今日できるようになった”、“どんな顔をして、どんなことを言っていた”など、先入観を持たず、事実を”書き留めていきます。また、“〇〇の発言良かったね。”、〇〇にチャレンジできたね。などをメモした「いいねカード」も渡していきます。新人にとっては、自分を見てもらっている、認めてもらえているという自信につながると共に、サポーターにとっては、新人をしっかり見る大切さ、安易に教えるのではなく、自分自身で何を発見したのかを気づかせ、見守るという経験が積まれることで、リーダーとして必要な学びができていると感じました。
 3番目の項目である“「なんのため」という目的・意味・意義の追求”では「仕事には全て目的がある」というメッセージと共に、「誰に対して」「何のために」を繰り返し問いかけることで気づきを深めます。また、サポーター自らの感動経験を語ることで理念の持つ意味の理解を促します。4番目の“「相手の立場に立つ」という多様性の理解”では、高齢者疑似体験や視覚障がい者ガイドヘルプ、認知症サポーターを体験し、5番目の“成長実感を味わう”では、日々、節目の振り返りにおける周囲の方への感謝と共に、自信の成長を確認し、研修の最後には印象に残った場面をイラストで残すことで、気づきを深めているとのことでした。
 最後に新人育成に思うこととして、居場所作りの大切さのお話をいただきました。期待と不安な気持ちを抱えている新人だからこそ、ここにいていい、ここがあなたの居場所なのだと伝えることが大切。迎え入れてもらえている、受け入れてもらえている、という安心感こそが、自信と成長につながるのだと感じました。
 太田さんには、たくさんの写真や資料を準備いただくと共に、大変参考になる発表をいただき感謝致します。ありがとうございました。
(文責:キャリアコンサルタント 山岡正子)
ファシリテーター
植田寿乃
植田寿乃
キャリアコンサルタント・ダイバシティコンサルタント
有限会社キュー 代表取締役
関連セミナー&講演情報
●2019年2月21日(木)22日(金)
「女性リーダーのためのエンカレッジ(応援)研修」
~活き活きと活躍することを目指した、気づきとネットワークの獲得~
(講師:植田寿乃)
会場:NOMA 関西本部 専用教室(大阪科学技術センタービル内) 対象:女性管理職及びその候補者、中堅リーダークラスの方々など

●2019年2月27日(水)
植田道場主催
『女性リーダーエンカレッジ(応援)セミナー』
~自然体の活き活きリーダーを目指して~ (講師:臼井淑子)
会場:東京駅近隣会議室 対象:女性リーダー、リーダー候補の方

●2019年 5月10日(金)
『40代後半から50代に向けたキャリア・ブレイクスルー(現状打破&形成支援)研修』
~キャリアの節目をしっかり潜り抜け、自分の未来を拓くために~ (講師:山岡正子)
会場:東京駅近隣会議室 対象:組織にお勤めの40代後半~50代の方、人事・人材開発担当の方

●2019年6月7日(金)
『モチベーション・マネージメント』
~多様な部下を育て活かす「人間力リーダー」を目指して~
(講師:植田寿乃)
会場:東京駅近隣会議室 対象:管理職、リーダー、リーダー候補の方々

●2019年8月5日(月)
50歳からの幸せなキャリアの見つけ方
~50代シニア世代のモチベーション活性化のために!~
(講師:植田寿乃)
会場:東京駅近隣会議室 対象:50歳代の方(48歳以上 )、人事・人材開発部門の方